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古文単語「たふ/耐ふ/堪ふ」の意味・解説【ハ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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「たふ/耐ふ/堪ふ」の意味・解説【ハ行下二段活用】

このテキストでは、ハ行下二段活用の動詞「たふ/耐ふ/堪ふ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

ハ行下二段活用

未然形たへ
連用形たへ
終止形たふ
連体形たふる
已然形たふれ
命令形たへよ


意味1:自動詞

我慢できる、こらえられる

※この用法の場合、下に打消を伴って「我慢できない、こられられない」となることが多い。
[出典]帰京 土佐日記
「かかるうちに、なほ悲しきに堪へずして、ひそかに心知れる人と言へりける歌...」

[訳]: こうしているうちに、いっそうの悲しさに我慢できずに、こっそりと(互い)の心を理解している人(妻のこと)と詠んだ歌...


意味2:自動詞

能力をもつ、優れている、やりこなす力がある

[出典]三船の才・公任の誉れ 大鏡
「入道殿の大井川に逍遥せさせ給ひしに、作文の舟・管絃の舟・和歌の舟と分たせ給ひて、その道にたへたる人々を乗せさせ給ひしに...」

[訳]:入道殿(藤原道長)が大井川で舟遊びをなさったときのことですが、(入道殿は、舟を)漢文を作る(人が乗る)舟、管絃をする(人が乗る)舟、和歌を詠む(人が乗る)舟とお分けになって、その道に優れている人々をお乗せになったとき...




意味3:自動詞

もちこたえる、持続する

[出典]:玉鬘 源氏物語
「ここながら命たへずなりぬること。」

[訳]: ここにいるまま命がもちこたえられなくなってしまうとは。


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