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古文単語「ひきいづ/引き出づ」の意味・解説【ダ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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ひきいづ/引き出づ

このテキストでは、ダ行下二段活用の動詞「ひきいづ/引き出づ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

ダ行下二段活用

未然形ひきいで
連用形ひきいで
終止形ひきいづ
連体形ひきいづる
已然形ひきいづれ
命令形ひきいでよ


意味1:他動詞

(車などを)
引き出す、取り出す

[出典]物語・源氏の五十余巻 更級日記
「人も交じらず、几帳の内にうち伏して、引き出でつつ見る心地、后の位も何にかはせむ。」

[訳]:誰にも邪魔されず、几帳の中に横になって、(箱のなかから)取り出して見る心地は、后の位も何になろうか、いや何にもならない。


意味2:他動詞

例として引き合いに出す

[出典]桐壷 源氏物語
「やうやう天の下にもあぢきなう、人のもてなやみぐさになりて、楊貴妃の例も引き出でつべくなりゆくに...」

[訳]:次第に世間でもまともでないことと、人の悩みの種となっていて、(唐の皇帝であった玄宗の寵愛を受け、国を傾けたと伝わる)楊貴妃の例も引き合いに出しそうになっていくので...




意味3:他動詞

(事を)
引き起こす、しでかす

[出典]:柏木 源氏物語
「さるまじき過ちを引き出でて...」

[訳]:あってはならない過ちをしでかして...


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