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古文単語「はしたなし/端なし」の意味・解説【形容詞ク活用】 |
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著作名:
走るメロス
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このテキストでは、ク活用の形容詞「はしたなし/端なし」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
未然形 | はしたなく | はしたなから |
連用形 | はしたなく | はしたなかり |
終止形 | はしたなし | ◯ |
連体形 | はしたなき | はしたなかる |
已然形 | はしたなけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | はしたなかれ |
どっちつかずだ、中途半端だ。
不似合いだ、不釣り合いだ。
[出典]:初冠 伊勢物語
「思ほえず、ふる里にいとはしたなくてありければ、心地まどひにけり。 」
[訳]:思いもよらず(このような寂れた)旧都に、不釣り合いな様子で(美しい姉妹が)いたので、(男は)心を乱してしまいました。
「思ほえず、ふる里にいとはしたなくてありければ、心地まどひにけり。 」
[訳]:思いもよらず(このような寂れた)旧都に、不釣り合いな様子で(美しい姉妹が)いたので、(男は)心を乱してしまいました。
きまりが悪い、みっともなくて恥ずかしい。
[出典]:はしたなきもの 枕草子
「あはれなることなど、人のいひ出で、うち泣きなどするに、げにいとあはれなりなど聞きながら、涙のつと出で来ぬ、いとはしたなし。」
[訳]:しみじみと心打たれることなどを、人がし出して、(その人が)ふと泣いたりなどする時に、なるほどとても気の毒だと聞きながら、涙がすぐに出てこないことは、とてもきまりが悪い。
「あはれなることなど、人のいひ出で、うち泣きなどするに、げにいとあはれなりなど聞きながら、涙のつと出で来ぬ、いとはしたなし。」
[訳]:しみじみと心打たれることなどを、人がし出して、(その人が)ふと泣いたりなどする時に、なるほどとても気の毒だと聞きながら、涙がすぐに出てこないことは、とてもきまりが悪い。
そっけない、無愛想だ。
[出典]:常夏 源氏物語
「はしたなくも、なさし放ちたまひそ...」
[訳]:そっけなくも、放っておいたりはなさらないように...
「はしたなくも、なさし放ちたまひそ...」
[訳]:そっけなくも、放っておいたりはなさらないように...
失礼である、不当である。
[出典]:手習 源氏物語
「...とて、さらに聞きたまはねば、『はしたなきことなり。』とて...」
[訳]:...と言って、まるでお聞きにならないので、「(返事をしないのは)失礼なことだ。」 と言って...
「...とて、さらに聞きたまはねば、『はしたなきことなり。』とて...」
[訳]:...と言って、まるでお聞きにならないので、「(返事をしないのは)失礼なことだ。」 と言って...
はなはだしい、激しい。
[出典]:宇治拾遺物語
「雨風はしたなくて、帰るに及ばで、山の中に、心にもあらずとまりぬ。」
[訳]:雨風が激しくて、帰ることができず、山の中に、思いがけなく泊まった。
「雨風はしたなくて、帰るに及ばで、山の中に、心にもあらずとまりぬ。」
[訳]:雨風が激しくて、帰ることができず、山の中に、思いがけなく泊まった。
「はしたなう」は連用形「はしたなく」のウ音便。
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