更新日時:
|
|
古文単語「わりなし」の意味・解説【形容詞ク活用】 |
|
著作名:
走るメロス
42,871 views |
このテキストでは、ク活用の形容詞「わりなし」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
未然形 | わりなく | わりなから |
連用形 | わりなく | わりなかり |
終止形 | わりなし | ◯ |
連体形 | わりなき | わりなかる |
已然形 | わりなけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | わりなかれ |
道理に合わない、分別がない。
[出典]:桐壷 源氏物語
「おぼえいとやむごとなく、上衆めかしけれど、わりなくまつはさせ給ふあまりに...」
[訳]:世間の評判は並大抵ではなく、高貴な人らしい様子でしたが、(帝が)分別なく絶えずお側にいさせなるので...
「おぼえいとやむごとなく、上衆めかしけれど、わりなくまつはさせ給ふあまりに...」
[訳]:世間の評判は並大抵ではなく、高貴な人らしい様子でしたが、(帝が)分別なく絶えずお側にいさせなるので...
どうしようもなくつらい、耐え難い、苦しい。
どうしようもない、なすすべがない。
はなはだしい、特別に、ひどい。
[出典]:清涼殿の丑寅のすみの 枕草子
「ひが覚えをもし、忘れたる所もあらば、いみじかるべきことと、わりなうおぼし乱れぬべし。」
[訳]:(和歌の)記憶違いをしていたり、忘れている部分でもがあれば、大変なことだと、きっとひどくお心がお乱れになるに違いない。
「ひが覚えをもし、忘れたる所もあらば、いみじかるべきことと、わりなうおぼし乱れぬべし。」
[訳]:(和歌の)記憶違いをしていたり、忘れている部分でもがあれば、大変なことだと、きっとひどくお心がお乱れになるに違いない。
特別に優れている、素晴らしい。
[出典]:千手前 平家物語
「見目、心ざま、優にわりなき者にて候とて...」
[訳]:容貌や、気立てが、優雅で素晴らしい者ですといって...
「見目、心ざま、優にわりなき者にて候とて...」
[訳]:容貌や、気立てが、優雅で素晴らしい者ですといって...
無理にする様、強いてする様。
[出典]:徒然草
「人の後ろにさぶらふは、様あしくも及びかからず、わりなく見むとする人もなし。」
[訳]:人の後ろに控えている者は、みっともなく前にのしかかったりはせず、無理に見ようとする者もいない。
「人の後ろにさぶらふは、様あしくも及びかからず、わりなく見むとする人もなし。」
[訳]:人の後ろに控えている者は、みっともなく前にのしかかったりはせず、無理に見ようとする者もいない。
親しい、懇意である、いじらしい。
[出典]:徒然草
「降り積む雪の下にうづもれて、春を忘れぬ遅桜の花の心わりなし。」
[訳]:降り積もる雪の下に埋もれても、春を忘れずに咲く遅桜の心は実にいじらしい。
「降り積む雪の下にうづもれて、春を忘れぬ遅桜の花の心わりなし。」
[訳]:降り積もる雪の下に埋もれても、春を忘れずに咲く遅桜の心は実にいじらしい。
このテキストを評価してください。
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
古文単語「たえず/絶えず」の意味・解説【副詞】
>
古文単語「おもひなげく/思ひ嘆く」の意味・解説【カ行四段活用】
>
古文単語「おいかがまる/老い屈まる」の意味・解説【ラ行四段活用】
>
古文単語「もてきょうず/もて興ず」の意味・解説【サ行変格活用】
>
古文単語「たづぬ/尋ぬ/訪ぬ」の意味・解説【ナ行下二段活用】
>
最近見たテキスト
古文単語「わりなし」の意味・解説【形容詞ク活用】
10分前以内
|
>
|
注目テキスト