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古文単語「わりなし」の意味・解説【形容詞ク活用】 |
著作名:
走るメロス
35,819 views |
わりなし
このテキストでは、ク活用の形容詞「わりなし」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
形容詞・ク活用
未然形 | わりなく | わりなから |
連用形 | わりなく | わりなかり |
終止形 | わりなし | ◯ |
連体形 | わりなき | わりなかる |
已然形 | わりなけれ | ◯ |
命令形 | ◯ | わりなかれ |
■意味1
道理に合わない、分別がない。
[出典]:桐壷 源氏物語
「おぼえいとやむごとなく、上衆めかしけれど、わりなくまつはさせ給ふあまりに...」
[訳]:世間の評判は並大抵ではなく、高貴な人らしい様子でしたが、(帝が)分別なく絶えずお側にいさせなるので...
「おぼえいとやむごとなく、上衆めかしけれど、わりなくまつはさせ給ふあまりに...」
[訳]:世間の評判は並大抵ではなく、高貴な人らしい様子でしたが、(帝が)分別なく絶えずお側にいさせなるので...
■意味2
どうしようもなくつらい、耐え難い、苦しい。
■意味3
どうしようもない、なすすべがない。
■意味4
はなはだしい、特別に、ひどい。
[出典]:清涼殿の丑寅のすみの 枕草子
「ひが覚えをもし、忘れたる所もあらば、いみじかるべきことと、わりなうおぼし乱れぬべし。」
[訳]:(和歌の)記憶違いをしていたり、忘れている部分でもがあれば、大変なことだと、きっとひどくお心がお乱れになるに違いない。
「ひが覚えをもし、忘れたる所もあらば、いみじかるべきことと、わりなうおぼし乱れぬべし。」
[訳]:(和歌の)記憶違いをしていたり、忘れている部分でもがあれば、大変なことだと、きっとひどくお心がお乱れになるに違いない。
■意味5
特別に優れている、素晴らしい。
[出典]:千手前 平家物語
「見目、心ざま、優にわりなき者にて候とて...」
[訳]:容貌や、気立てが、優雅で素晴らしい者ですといって...
「見目、心ざま、優にわりなき者にて候とて...」
[訳]:容貌や、気立てが、優雅で素晴らしい者ですといって...
■意味6
無理にする様、強いてする様。
[出典]:徒然草
「人の後ろにさぶらふは、様あしくも及びかからず、わりなく見むとする人もなし。」
[訳]:人の後ろに控えている者は、みっともなく前にのしかかったりはせず、無理に見ようとする者もいない。
「人の後ろにさぶらふは、様あしくも及びかからず、わりなく見むとする人もなし。」
[訳]:人の後ろに控えている者は、みっともなく前にのしかかったりはせず、無理に見ようとする者もいない。
■意味7
親しい、懇意である、いじらしい。
[出典]:徒然草
「降り積む雪の下にうづもれて、春を忘れぬ遅桜の花の心わりなし。」
[訳]:降り積もる雪の下に埋もれても、春を忘れずに咲く遅桜の心は実にいじらしい。
「降り積む雪の下にうづもれて、春を忘れぬ遅桜の花の心わりなし。」
[訳]:降り積もる雪の下に埋もれても、春を忘れずに咲く遅桜の心は実にいじらしい。
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