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古文単語「まゐる/参る」の意味・解説【ラ行四段活用】 |
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著作名:
走るメロス
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このテキストでは、ラ行四段活用の動詞「まゐる/参る」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。
「参る」は
①自動詞の用法
②他動詞の用法
とで大きく意味が異なる。
未然形 | まゐら |
連用形 | まゐり |
終止形 | まゐる |
連体形 | まゐる |
已然形 | まゐれ |
命令形 | まゐれ |
(行くの謙譲語で)
参上する、お伺いする。
[出典]:桐壷 源氏物語
「若宮は、いかにおもほし知るにか、参りたまふことをのみなむ、おぼしいそぐめれば...」
[訳]:若宮はどのように理解していらっしゃるのか、ご参上なさるとばかり、考え急いでいらっしゃるようで...
「若宮は、いかにおもほし知るにか、参りたまふことをのみなむ、おぼしいそぐめれば...」
[訳]:若宮はどのように理解していらっしゃるのか、ご参上なさるとばかり、考え急いでいらっしゃるようで...
出仕申し上げる、お仕えする。
[出典]:枕草子 清少納言
「宮に初めて参りたるころ、もののはづかしきことの数知らず、涙も落ちぬべければ...」
[訳]:(中宮定子様の)御所に初めて出仕申し上げたころ、気が引けてしまうことがたくさんあり、(緊張で)涙もこぼれ落ちてしまいそうなほどで...
「宮に初めて参りたるころ、もののはづかしきことの数知らず、涙も落ちぬべければ...」
[訳]:(中宮定子様の)御所に初めて出仕申し上げたころ、気が引けてしまうことがたくさんあり、(緊張で)涙もこぼれ落ちてしまいそうなほどで...
入内申し上げる。
[出典]:桐壷 源氏物語
「人よりさきに参り給ひて、やむごとなき御思ひなべてならず...」
[訳]:(第一の王子の母であるこの女御は)宮廷の誰よりも最初に入内申し上げなさったので、(帝が女御のことを)大切に思われる気持ちも並大抵のものではなく...
「人よりさきに参り給ひて、やむごとなき御思ひなべてならず...」
[訳]:(第一の王子の母であるこの女御は)宮廷の誰よりも最初に入内申し上げなさったので、(帝が女御のことを)大切に思われる気持ちも並大抵のものではなく...
お参りする、参詣する。
[出典]:仁和寺にある法師 徒然草
「そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん...」
[訳]:それにしても、お参りしている人たちは山に登っていましたが、どのようなことがあったのでしょうか...
「そも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん...」
[訳]:それにしても、お参りしている人たちは山に登っていましたが、どのようなことがあったのでしょうか...
(与ふの謙譲語で)
差し上げる、献上する。
[出典]:帚木 源氏物語
「灯あかくかかげなどして、御くだものばかり参れり。」
[訳]:灯火を明るくしたりなどして、お酒の肴だけを差し上げた。
「灯あかくかかげなどして、御くだものばかり参れり。」
[訳]:灯火を明るくしたりなどして、お酒の肴だけを差し上げた。
(「す/行ふ」などの謙譲語で)
〜し申し上げる、〜して差し上げる。
[出典]:若紫 源氏物語
「加持などまゐるほどに、日高くさし上りぬ。」
[訳]:祈祷などをして差し上げるうちに、太陽が高くのぼった。
「加持などまゐるほどに、日高くさし上りぬ。」
[訳]:祈祷などをして差し上げるうちに、太陽が高くのぼった。
(格子を)
お上げ申し上げる、お下げ申し上げる。
※この用法の場合、「御格子まゐる」の形で用いる。
[出典]:雪のいと高う降りたるを 枕草子
「雪のいと高う降りたるを例ならず御格子まゐりて、炭櫃に火おこして、物語などして集まりさぶらうに...」
[訳]:雪がたいそう高く降り積もっているのに、いつもと違って御格子をお下げ申し上げて、火鉢に火をおこして、皆で話などをして集まってお仕え申し上げていると...
「雪のいと高う降りたるを例ならず御格子まゐりて、炭櫃に火おこして、物語などして集まりさぶらうに...」
[訳]:雪がたいそう高く降り積もっているのに、いつもと違って御格子をお下げ申し上げて、火鉢に火をおこして、皆で話などをして集まってお仕え申し上げていると...
(「飲む/食ふ」の尊敬語で)
召し上がる。
[出典]:大和物語
「ほかにて酒などまゐり、酔ひて...」
[訳]:よそで酒などを召し上がり、酔っぱらって...
「ほかにて酒などまゐり、酔ひて...」
[訳]:よそで酒などを召し上がり、酔っぱらって...
(「す」の尊敬語で)
〜なさる。
[出典]:若紫 源氏物語
「今宵はなほ静かに加持などまゐりて...」
[訳]:今晩はやはり静かに祈祷などをなさって...
「今宵はなほ静かに加持などまゐりて...」
[訳]:今晩はやはり静かに祈祷などをなさって...
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