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宇治拾遺物語『空を飛ぶ倉』テストで出題されそうな問題 |
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著作名:
走るメロス
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ここでは、宇治拾遺物語 の中の『空を飛ぶ倉』でテストに出題されそうな問題をピックアップしていきます。 この話は「信貴山縁起絵巻」の一節として知られているものです。
次の文章を読み、問いに答えよ
そこに小さき堂を建てて、据ゑ奉りて、えもいはず行ひて、年月経る程に、この山の麓に、いみじき下種徳人ありけり。
そこに聖の鉢は常に飛び行きつつ、物は入れて来けり。大きなる校倉のあるをあけて、物取り出だす程に、この鉢飛びて、例の物乞ひに来たりけるを、
「例の鉢来にたり。ゆゆしくふくつけき鉢よ」
とて、取りて、倉の隅に投げ置きて、とみに物も入れざりければ、鉢は待ち居たりける程に、物どもしたため果てて、この鉢を忘れて、物も入れず、取りも出ださで、倉の戸をさして、立ち帰りぬるほどに、とばかりありて、この倉すずろにゆさゆさと揺るぐ。
「いかにいかに」
と見騒ぐ程に、揺るぎ揺るぎて、土より一尺ばかり揺るぎあがる時に、
「こはいかなる事ぞ」
と、怪しがりて騒ぐ。
「まことに、まことに、ありつる鉢を忘れて取り出でずなりぬる、それが仕業にや」
などいふ程に、この鉢、倉より漏り出でて、この鉢に倉乗りて、ただ上りに、空ざまに一二丈ばかり上る。さて飛び行く程に、人々見ののしり、あさみ騒ぎ合ひたり。倉の主も、更にすべきやうもなければ、
「この倉の行かむ所を見む」
とて、後に立ちて行く。そのわたりの人々もみな走りけり。さて見れば、やうやう飛びて、河内国にこの聖の行ふ山の中に飛び行きて、聖の坊の傍に、どうと落ちぬ。
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