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徒然草『主ある家には』の現代語訳・口語訳と解説 |
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著作名:
走るメロス
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このテキストでは、徒然草の一節『主ある家には』(主ある家には、すずろなる人、心のままに入り来ることなし~)の原文、現代語訳・口語訳とその解説を記しています。
徒然草は兼好法師によって書かれたとされる随筆です。清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』と並んで「古典日本三大随筆」と言われています。
主ある家には、すずろなる人、心のままに入り来ることなし。主なき所には、道行き人みだりに立ち入り、狐・梟やうのものも、人気にせかれねば、所得顔に入り住み、こだまなどいふ、けしからぬかたちも現るるものなり。
また、鏡には色・かたちなき故に、よろずの影来たりて映る。鏡に色・かたちあらましかば、映らざらまし。
虚空よくものを入る。我らが心に念々の欲しきままに来たり浮かぶも、心といふもののなきにやあらむ。心に主あらましかば、胸の内に、そこばくのことは入り来たらざらまし。
主人のある家には、見ず知らずの人が、勝手気ままに入ってくることはありません。主人のない所には、通行人が気ままに立ち入り、狐やふくろうのようなものも、人の気配に邪魔をされることなく、得意気に入り住んで、こだまなどという、あってはならないどころではない容姿のものも現れるのです。
同じく、鏡には色や形がないがために、あらゆるものの姿がそこに現れて映るのです。鏡に色やかたちがあるのならば、映ることはないでしょう。
空間には(実体がないので)ものをよく入れます。私たちの心に一つ一つの思いが勝手気ままにやって来て浮かぶのも、心というものの実体がないからでしょうか。心に主人があるのであれば、胸の内に、いくらかは入ってこないでしょうに。
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