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枕草子 原文全集「時奏する/日のうらうらとある昼つ方」 |
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著作名:
古典愛好家
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時奏する、いみじうをかし。いみじう寒き夜中ばかりなど、こほこほほとこほめき沓(くつ)すり来(き)て、弦うちならして、
「なんなのなにがし、時丑三つ、子四つ」
など、はるかなる声にいひて、時の杭さす音など、いみじうをかし。子九つ、丑八つ」などぞ里びたる人はいふ。すべてなにもなにも、ただ四つのみぞ、杭にはさしける。
日のうらうらとある昼つ方、またいといたう更けて、子のときなどいふほどにもなりぬらむかし、おほとのごもりおはしましてにや、など思ひまゐらするほどに、
「男ども」
とめしたるこそ、いとめでたけれ。夜中ばかりに御笛の声の聞こへえたる、またいとめでたし。
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