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枕草子 原文全集「ものへいく路に」
著作名: 古典愛好家
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ものへいく路に

ものへいく路に、きよげなる郎等の、細やかなるが、立文もちていそぎいくこそ、いづちならむと見ゆれ。また、きよげなる童(わらは)べなどの、衵(あこめ)どもの、いとあざやかなるにはあらで、なへばみたるに、屐子(けいし)のつややかなるが、歯に土おほくつきたるをはきて、白き紙におほきに包みたる物、もしは、箱の蓋に草子どもなどいれて、持ていくこそ、いみじうよびよせて見まほしけれ。

門ぢかなる所の前わたりをよび入るるに、愛敬なく、いらへもせでいくものは、使ふらむ人こそをしはからるれ。
             
                  
                 

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