|
|
|
|
|
更新日時:
|
|
![]() |
更級日記 原文全集「かうて、つれづれとながむるに」 |
|
著作名:
古典愛好家
21,809 views |
|
更級日記
かうて、つれづれとながむるに
かうて、つれづれとながむるに、などか物まうででもせざりけむ。母、いみじかりし古代の人にて、
「初瀬には、あなおそろし。奈良坂にて人にとられなば、いかがせむ。石山、関山こえていとおそろし。鞍馬は、さる山、ゐていでむ、いとおそろしや。親上りて、ともかくも」
と、さしはなちたる人のやうに、わづらはしがりて、わづかに清水にゐてこもりたり。それにも、例のくせは、まことしかべい事も思ひ申されず。彼岸のほどにて、いみじうさわがしう、おそろしきまでおぼえて、うちまどろみいりたるに、御帳の方の、いぬふせぎの内に、あをき織物の衣を着て、錦を頭にもかづき、足にもはいたる僧の、別当と思しきが寄り来て、
「行く先のあはれならむも知らず、さも、よしなし事をのみ」
とうちむつかりて、御帳の内に入りぬと見ても、うちおどろきても、
「かくなむ見えつる」
とも語らず、心にも思ひとどめで、まかでぬ。
このテキストを評価してください。
|
役に立った
|
う~ん・・・
|
※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。 |
|
更級日記 原文全集「子しのびの森」
>
更級日記 原文全集「母、一尺の鏡を鋳させて(鏡の影)」
>
蜻蛉日記原文全集「かくてかぞふれば」
>
平家物語原文全集「卒都婆流 1」
>
枕草子 原文全集「卯月のつごもりがたに」
>
蜻蛉日記原文全集「八月になりぬ」
>
枕草子 原文全集「雨のうちはへ降るころ」
>
デイリーランキング
























