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ルネサンスの歴史3 ~イタリア戦争とマキャベリ ルネサンスが衰退した理由~ |
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著作名:
エンリケ航海王子
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二回にわたってルネサンスの成立から活躍した芸術家を見て行きましたが、このテキストでは隆盛を誇ったルネサンスが衰退していった理由について説明します。
さまざまな芸術家が活躍した華やかなルネサンスも次第に衰退へと向かいます。その理由はどんなものだったのでしょう。
まず一つ目の理由は、大航海時代の幕開けによって新大陸が発見されたことにあります。地理上の発見とも言いますね。
これはもともと富を独占していたイタリア商人に対し、オランダやスペイン、ポルトガルなどの国々が新大陸を目指した結果によるものでした。独占的な富が、イタリアから次第に失われていったのです。
二つ目は、イタリア国内が戦争によって疲弊していったことです。
1494年から1559年にイタリア戦争という大規模な戦争が国内で起こりました。
(パヴィアの戦い)
この戦争はイタリアの支配をめぐる神聖ローマ皇帝とフランス王の戦いで、それぞれハプスブルク家とヴァロワ家の戦いでもありました。
1494年のフランス王シャルル8世のイタリア侵入がきっかけでしたが、その後フランス王フランソワ1世と神聖ローマ皇帝カール5世との聞でイタリア各地で戦争が行われ、その結果、イタリアでのルネサンスは衰退を迎え、その後はアルプス以北の諸国に移っていきました。
ちなみにこのイタリア戦争、宗教的な結びつきに関係なく独仏が覇権争いをしたので、カトリックのフランソワ1世がイスラーム教国オスマン帝国のスレイマン1世と軍事的な協定をむすび、カトリックのカール5世が宗教改革を行ったイギリスのへンリ8世と協定を結ぶなど、どちらの陣営もかなりの総力戦だったようです。
1559年のカトー=カンブレジ条約でフランスがイタリアから撤退を約束し、戦争は終結を迎えます。
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