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シャンポリオンとは 世界史用語168 |
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著作名:
ピアソラ
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ジャン=フランソワ・シャンポリオンは、1790年から1832年にかけて活躍したフランスの学者です。彼は主に、古代エジプトの象形文字であるヒエログリフの解読者として知られており、エジプト学の創始者とも言われています。
シャンポリオンは幼少期から非凡な語学の才能を発揮し、9歳でラテン語を話し、20歳までにギリシア語、ヘブライ語、アムハラ語、サンスクリット語、アヴェスタ語、パフラヴィー語、アラビア語、シリア語、ペルシア語、中国語などを習得しました。彼は特にコプト語などの東洋語に関心を持ち、発見されたばかりのロゼッタ・ストーンを見て以来、そこに書かれているヒエログリフの解読に取り組み始めました。
ロゼッタ・ストーンとは、1799年にナポレオンのエジプト遠征の際に発見された石碑で、古代エジプトのプトレマイオス朝の王プトレマイオス5世の勅令が、ヒエログリフ、デモティック(古代エジプトの民用文字)、ギリシア語の3種類の文字で刻まれていました。この石碑は、ヒエログリフの解読の鍵となるものとして、多くの学者の注目を集めましたが、当時はヒエログリフの性質や機能がほとんど分かっておらず、解読は困難を極めました。
シャンポリオンは、1809年にグルノーブル大学の歴史学助教授となり、1810年にはパリに移り、パリ大学やコレージュ・ド・フランスで教鞭をとりながら、ヒエログリフの研究を続けました。彼は、イギリスの学者トーマス・ヤングと競争しながら、ヒエログリフの解読法を模索しましたが、ヤングはヒエログリフが音節文字と象形文字の混合であると考えていました。シャンポリオンは、ヒエログリフが音節文字だけでなく、子音文字も含むことを発見し、ヒエログリフの音価表を作成しました。彼は、コプト語が古代エジプト語の末裔であると考え、コプト語の知識をヒエログリフの解読に活用しました。
1822年、シャンポリオンは、ロゼッタ・ストーンのヒエログリフの部分を解読し、プトレマイオス5世の名前とクレオパトラの名前を読み取ることに成功しました。これは、ヒエログリフの解読の画期的な成果であり、シャンポリオンはパリ学士院で発表し、大きな反響を呼びました。シャンポリオンはその後も、ヒエログリフの体系をさらに明らかにし、1824年には『ヒエログリフの体系概説』を発表しました。彼は、ルーヴル美術館のエジプト美術部門の創設にも関わりました。
シャンポリオンは、長年の夢であったエジプトへの調査旅行を、1828年と1830年に実現しました。彼は、エジプトの古代遺跡や碑文を調査し、多くの資料を収集しました。彼は、エジプトの歴史や文化に関する多くの知識を得て、エジプト学の基礎を築きました。しかし、エジプトでの過酷な生活が彼の健康を損ない、1832年にコレラに罹ってパリで死去しました。彼は、ペール・ラシェーズ墓地に埋葬されました。
シャンポリオンの功績は、エジプト学の発展に大きく寄与しました。彼は、ヒエログリフの解読によって、古代エジプトの歴史や文化を復元することを可能にしました。彼は、エジプトの古代遺跡や芸術品を保護するためにも尽力しました。彼は、エジプト学の父として、後世の学者に多大な影響を与えました。彼の名を冠した小惑星や博物館なども存在します。
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