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化学基礎 酸と塩基の価数~強酸と弱酸はどこで決まるの?~ |
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著作名:
藤山不二雄
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塩酸HClは、水溶液中でH⁺とCl⁻に電離します。
水酸化ナトリウムNaOHは水溶液中でNa⁺とOH⁻とに電離しています。
このH⁺を放出する物質のことを「酸」、OH⁻を放出する物質「塩基」といいますが、放出できるH⁺やOH⁻をいくつ持っているのか、この単位のことを 価数といいます。
H⁺の価数を酸の価数、OH⁻の価数を塩基の価数とも言いますので合わせて覚えておきましょう。
塩酸(HCl)の場合、持っているH⁺は1つです。このとき塩酸は1価の酸であると言います。水酸化ナトリウム(NaOH)は、OH⁻を1つだけもっているので、1価の塩基であると言います。
ここで問題です。硫酸H₂SO₄や水酸化アルミニウムAl(OH)₃などはいくつ何価と言えるでしょうか。
硫酸は2つのH⁺と1つのSO₄²⁻に電離されるので、2価の酸です。
水酸化アルミニウムは1つのAl⁺と3つのOH⁻とに分離されるので3価の塩基となります。
ちなみに、1molの塩酸が放出するH⁺は1molです。
1molの硫酸が放出するH⁺は2molです。( 2価の酸のため)
11価はわかりやすいですが、2価や3価では必ず酸・塩基のモル数に価数をかけないといけませんので注意してくださいね。
よく「この物質は強酸だ。」とか、「弱酸性〇〇」といった製品を耳にしますね。
では一体、この酸や塩基の強弱はどこで決定されているのでしょうか。
もちろんpHの大きさではあるのですが、そのpHは何をもって決まっているのかを説明します。
酸と塩基の強さは電離度の大きさに比例する
結論から書きましたが、すなわちそういうことです。
同じ濃度の塩酸と酢酸の水溶液を比較すると、塩酸の方が酸性が強いことがわかっています。これは、塩酸が水溶液中でほぼ100%電離しているのに大して、酢酸は一部のみしか電離しないためです。
きちんと電離しているものが強酸や強塩基と呼ばれ、電離していないものは弱酸や弱塩基と呼ばれます。
塩酸のように水溶液中で100%電離している状態を、 完全電離と呼びます。
また、どれほど電離しているのかを示したものを電離度と呼び、
電離している酸(塩基)のmol÷溶液に溶かした酸(塩基)のmol
で求めることができます。
強酸化弱酸か、強塩基か弱塩基かは覚えていくしかありませんので根気強くやっていきましょう。
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