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徒然草『公世の二位のせうとに』 わかりやすい現代語訳と解説
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、徒然草の一節「公世の二位のせうとに」の原文、現代語訳・口語訳とその解説を記しています。



※徒然草は兼好法師によって書かれたとされる随筆です。清少納言の『枕草子』、鴨長明の『方丈記』と並んで「古典日本三大随筆」と言われています。

原文

(※1)公世(きんよ)の二位のせうとに、良覚僧正と聞こえしは、きはめて腹あしき人なりけり。の傍らに、大きなる榎の木のありければ、人、
「榎の木の僧正」

とぞ言ひける。



この名、しかるべからずとて、かの木を切られにけり。その根のありければ、
(※2)きりくひの僧正」

と言ひけり。いよいよ腹立ちて、きりくひを掘り捨てたりければ、その跡、大きなる堀にてありければ、
「堀池の僧正」

とぞ言ひける。



現代語訳

公世の二位の兄で、良覚僧正と申し上げた方は、とても怒りっぽい人であったということだ。宿坊の側に、大きな榎の木があったのだが、人々は、(良覚僧正のことを)
「榎の木の僧正」

と呼んだ。



(僧正は)この名前を、(自分に)ふさわしくないと、その木をお切りになってしまった。(今度は)その根が残っていたので、(人々は僧正のことを)
「きりくひの僧正」

と呼んだ。(僧正は)ますます怒って、切り株を掘って捨ててしまったところ、その跡が、大きな堀になっていたので、(人々は僧正のことを)
「堀池の僧正」
と呼んだ。


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品詞分解

※品詞分解:徒然草『公世の二位のせうとに』の品詞分解(動詞・助動詞の活用など)



単語・解説

(※1)公世鎌倉時代の公卿であった「藤原公世」を指す
(※2)きりくひ切り株


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