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『春の野に霞たなびきうら悲し この夕かげに鶯鳴くも』現代語訳と解説 |
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著作名:
走るメロス
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このテキストでは、万葉集で詠まれている「春の野に 霞たなびきうら悲し この夕かげに 鶯鳴くも」という歌について説明していきます。
春の野に 霞たなびきうら悲し この夕かげに 鶯鳴くも
春の野原に霞がでてきて、悲しく感じる。夕暮れの光の中で鶯(うぐいす)が鳴いているよ。
この歌は、奈良時代の歌人大伴家持(おおとものやかもち)によって詠まれた歌です。大伴家持は、万葉集の作成にもかかわっていました。
うら悲しいの「うら」とは、「こころ」のことを言いますが、ここでは「うら悲し」を、なんとなく悲しいと訳しています。春の野に霞がかかってくるというまさに春!という光景を目の前にして、ふつうは「春だなぁ」と前向きになるところを、大伴家持は「なんとなく悲しくなった」と言うのです。理由はわかりませんが。
ちなみに鶯(うぐいす)は、春を告げる鳥として和歌のなかに登場することが多いですので覚えておこう。
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