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枕草子 原文全集「大納言殿まゐり給ひて」
著作名: 古典愛好家
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またの夜は、夜のおとどにまゐらせ給ひぬ。夜中ばかりに、廊にいでて人よべば、

「下るるか。いで、送らむ」


とのたまへば、裳、唐衣は屏風にうちかけていくに、月のいみじうあかく、御直衣のいと白うみゆるに、指貫(さしぬき)を長うふみしだきて、袖をひかへて、

「たうるな」


といひて、おはするままに、

「游子、なほ残りの月に行く」


と誦(ず)し給へる、またいみじうめでたし。

「かやうの事、めで給ふ」


とては笑ひ給へど、いかでか、なほをかしきものをば。






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