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論語『曾子曰、吾日三省吾身(吾、日に三たび吾が身を省みる)』解説・書き下し文・口語訳
著作名: 春樹
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論語『曾子曰、吾日三省吾身(吾、日に三たび吾が身を省みる)』解説・書き下し文・口語訳

『論語』は、孔子と彼の優れた弟子たちの言動を、孔子の死後に弟子が記録した書物です。この著作は儒教の経典であり、朱子学における「四書」の一つとして高い評価を受けています。その内容の簡潔さから初学者にも広く受け入れられ、中国の歴史を通じて最も読まれた本の一つとなっています。

『論語』は全20篇からなり、各篇は孔子や彼の弟子たちの言葉や行動を記した短い文章で構成されています。これらの篇は特定のテーマや順序を持たず、時代や場所によって異なります。『論語』は、孔子の思想や教えを直接的に解説するものではなく、読者自身が考えて理解することを求められるのです。

『論語』には、人間としてどのように在りたいか、どのように生きるべきか、どのように学ぶべきかといった多くの名言や教訓が含まれています。例えば、「己欲立てば人を立てよ、己欲達せば人を達せよ」という言葉や、「知者は迷わず、仁者は憂わず、勇者は恐れず」という言葉、「温故知新」という言葉などが広く知られています。

『論語』は中国だけでなく、日本や朝鮮半島などでも広く読まれ、多くの注釈や解釈が生まれました。日本では古代から儒教の影響を受けており、『論語』も重要な教養書として扱われてきました。江戸時代には朱子学が隆盛を迎え、『論語』は幕府や藩の教育制度で必修科目とされました。現代でも『論語』は、ビジネスや人生において有益な教えとして注目を浴びています。孔子は、紀元前552年または551年に中国の魯国(現在の山東省)で生まれた思想家であり、儒教の創始者とされています。彼の名前は「丘」であり、字は「仲尼」です。尊称としての「孔子」という呼び名が一般的です。彼は貧しい家庭で育ち、幼少期から学問に情熱を注いでいました。魯国の役人として勤務しながら、礼や音楽などの古典を研究しました。政治改革を目指しましたが、成功せずに各地を旅しました。晩年には魯国に帰り、弟子たちに教えながら歴史書『春秋』を編纂しました。彼は紀元前479年に亡くなりました。

孔子の思想は、仁(他人への思いやり)、義(自らの責務を果たすこと)、礼(仁を実践する具体的な行動)、智(学問に励むこと)、信(嘘をつかず、約束を守ること)という五つの徳に基づいています。彼はこれらの徳を守ることで、父子関係、君臣関係、夫婦関係、兄弟関係、友情などの五倫を維持することが人間の理想だと考えました。また、彼は徳のある統治者が自身の徳を活かして人々を統治するべきであるという徳治主義を主張しました。

ここでは、論語の第1章「学而第一」の第4、「吾、日に三たび吾が身を省みる」の解説をしています。ここでは孔子ではなく、孔子の弟子の曾子が語ったことが述べられています。



白文

曾子曰、吾日三省吾身、

為人謀忠乎、

朋友交言而不信乎、

伝不習乎。




書き下し文

曾子曰く、吾(われ)、日に三たび吾が身を省みる。

人の為に謀りて忠ならざるか、

朋友と交わりて信ならざるか、

習わざるを伝うるか。


現代語訳(口語訳)

曾子がこうおっしゃいました。
私は1日に3回我が身を振り返ります。1つ目は人のために真剣に物事を考えてあげただろうかということ。2つ目は友人と接するときに誠意を持っていられただろうかということ。そして3つ目はまだ自分がきちんと理解できていないことを、受け売りで人に教えはしなかっただろうかということです。





置き字の1つ。読まずに、「~て」や「~だけれども」のように接続を表します。
やっかいなのは、順接と逆接、どちらの場合でも使われるという点です。見分け方は、文脈から判断するしかありません。

朋友

友人

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