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均輸とは わかりやすい世界史用語463
著作名: ピアソラ
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均輸とは

前漢時代の中国で導入された「均輸」は、国家の財政問題を解決するために考案された経済政策でした。この制度の核心は、各地域の人口と輸送距離に応じて、特産品の供出を公正に分配することにありました。

桑弘羊が紀元前115年、武帝の統治下で実施したこの政策は、地方の特産物を効率的に集め、他の地域で販売することで国庫収入を増やすとともに、物価の安定化を図りました。均輸官と呼ばれる役人が各地に派遣され、この制度の運営を担当しました。

均輸法の導入により、中央政府は地方との物資の流れを市場から独立させ、統一的に管理することが可能になりました。これは、財政と物流の一元化を意味し、政府の経済統制力を強化することにつながりました。

この制度の影響は長く続き、宋代にも類似の政策が見られます。1069年に王安石が新法の一環として再導入した均輸法は、商品の円滑な流通を促進し、大規模商人による市場の独占を防ぐことを目指していました。

このように、均輸法は古代中国の経済政策において重要な役割を果たし、時代を超えて財政管理と市場調整の手段として活用されてきたのです。

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