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磨製石器とは その特徴と時代 世界史用語56
著作名: ピアソラ
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磨製石器とは

磨製石器とは、石を削って形を整え、さらに砥石などで磨いて滑らかに仕上げた石器のことです。磨製石器は、紀元前7000年頃から始まった新石器時代の特徴的な技術であり、斧や鑿などの刃物や、石臼や石鏃などの生活用具が作られました。磨製石器は、火打石や黒曜石などの石器時代の主要な材料よりも硬い石で作られることが多く、翡翠や閃緑岩、片岩などが用いられました。磨製石器の製作には、石を打ち欠く打製法と、石を削る研磨法の二つの工程が必要でした。打製法では、石の塊からハンマー石などで打って欠片を剥がし、大まかな形を作りました。研磨法では、打製法で作った石器を砥石などでこすって表面を滑らかにし、刃を鋭くしました。磨きをかけることで、石器は見た目だけでなく、性能も向上しました。磨製石器は、打製石器よりも深く切れ込むことができ、衝撃に強く、割れにくく、扱いやすくなりました。

磨製石器の出現は、人類の生活に大きな変化をもたらしました。磨製石器は、農業の発展に欠かせない道具でした。磨製石斧や石鑿は、森林を切り開いて耕地を作るのに使われました。石臼は、穀物をひいて粉にするのに使われました。石鏃は、狩猟や戦闘に使われる矢の先につけられました。磨製石器は、木材の加工にも重要な役割を果たしました。木材は、住居や家具、船やそり、籠や器など、様々な用途に使われました。磨製石斧や石鑿、石刀などは、木材を細かく切ったり、彫ったり、削ったりすることができました。磨製石器によって、木材は人類の生活に不可欠な素材となりました。

磨製石器は、人類の文化にも影響を与えました。磨製石器は、美しく装飾されたこともありました。例えば、翡翠や水晶などの美しい石で作られた磨製石器は、宗教的な儀式や祭祀に使われたり、地位や権力の象徴となったりしました。また、磨製石器は、交易や交流の媒体ともなりました。磨製石器の材料は、産地が限られていたため、遠くから運ばれることがありました。例えば、翡翠は中国やミャンマーなどで産出され、日本や朝鮮半島などにも伝わりました。磨製石器は、人類の社会や文化の発展に寄与しました。

磨製石器は、新石器時代の象徴的な技術であり、人類の歴史において重要な役割を果たしました。磨製石器は、人類の生活や文化を豊かにし、多様化させました。

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