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高校古文『流れゆくわれはみづくとなりはてぬ君しがらみとなりてとどめよ』わかりやすい現代語訳と品詞分解
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、大鏡北野天神縁起などに収録されている歌「流れゆくわれはみづくとなりはてぬ君しがらみとなりてとどめよ」の原文、現代語訳・口語訳と解説、そして品詞分解を記しています。作者は菅原道真です。



※北野天神縁起には、
流れゆくわれはみづくとなりぬとも 君しがらみとなりてとどめよ

と収録されています。

原文

流れゆく われはみづくと なりはてぬ 君しがらみと なりてとどめよ

ひらがなでの読み方

ながれゆく われはみづくと なりはてぬ きみしがらみと なりてとどめよ

現代語訳

(太宰府へと)流れていく私は、水の藻屑のような身になってしまいました。我が君よ、どうか(水屑をせき止める)しがらみとなって、私をとどめてください。



解説

学者の身分でありながら、宇多天皇、醍醐天皇の信任を得て、右大臣にまで昇り詰めた菅原道真のことをよく思っていなかった、左大臣藤原時平をはじめとするアンチ菅原道真派の策略により、菅原道真は太宰府へと左遷されることとなりました。このとき、天皇は宇多天皇からその息子の醍醐天皇へと譲位されています。醍醐天皇の治世でも出世を続けた菅原道真でしたが、宇多天皇の退位により最大の後ろ盾を失ったことが、左遷を防げなかった大きな理由でした。

この歌にある「君」とは宇多法王(退位後、出家して法王となった)のことを指し、菅原道真が宇多法王に救いを求めた内容の歌となっています。

品詞分解

※名詞は省略しています。



流れラ行下二段活用「ながる」の連用形
ゆくカ行四段活用「ゆく」の連体形
われ代名詞
係助詞
水屑
格助詞
なりはてタ行下二段活用「なりはつ」の連用形
完了の助動詞「ぬ」の終止形
しがらみ
格助詞
なりラ行四段活用「なる」の連用形
接続助詞
とどめよマ行下二段活用「とどむ」の命令形


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