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古文単語「あやにくなり/生憎なり」の意味・解説【形容動詞ナリ活用】 |
著作名:
走るメロス
3,416 views |
あやにくなり/生憎なり
このテキストでは、ナリ活用の形容動詞「あやにくなり/生憎なり」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
形容動詞・ナリ活用
未然形 | あやにくなら | ◯ |
連用形 | あやにくなり | あやにくに |
終止形 | あやにくなり | ◯ |
連体形 | あやにくなる | ◯ |
已然形 | あやにくなれ | ◯ |
命令形 | あやにくなれ | ◯ |
■意味1
意地が悪い、厳しい、無慈悲だ。
[出典]:道真の左遷 大鏡
「帝の御掟、きはめてあやにくにおはしませば、この御子どもを、同じ方につかはさざりけり。」
[訳]:帝のご処置が、非常に厳しくていらっしゃったので、このご子息たちを、同じ場所におやりにならなかったのでした。
「帝の御掟、きはめてあやにくにおはしませば、この御子どもを、同じ方につかはさざりけり。」
[訳]:帝のご処置が、非常に厳しくていらっしゃったので、このご子息たちを、同じ場所におやりにならなかったのでした。
■意味2
都合が悪い、生憎だ、間が悪い。
[出典]:浮舟 源氏物語
「『あなかま、あなかま。下衆などの、ちりばかりも聞きたらむに、いといみじからむ。』と言ひゐたる、心地恐ろし。あやにくに、殿の御使のあらむ時、いかに言はむと、『初瀬の観音、今日事なくて暮らしたまへ。』と、大願をぞ立てける。」
[訳]:「お静かに、お静かに。下衆どもが、少しでも聞きつけたら、とても大変なことになりましょう。」と言っているが、嘘をつくのが恐ろしい。間が悪く、殿のお使いが来たような時には、どのように言おうと、「初瀬の観音様、今日が平穏無事で暮らせますように。」と、大願を立てるのであった。
「『あなかま、あなかま。下衆などの、ちりばかりも聞きたらむに、いといみじからむ。』と言ひゐたる、心地恐ろし。あやにくに、殿の御使のあらむ時、いかに言はむと、『初瀬の観音、今日事なくて暮らしたまへ。』と、大願をぞ立てける。」
[訳]:「お静かに、お静かに。下衆どもが、少しでも聞きつけたら、とても大変なことになりましょう。」と言っているが、嘘をつくのが恐ろしい。間が悪く、殿のお使いが来たような時には、どのように言おうと、「初瀬の観音様、今日が平穏無事で暮らせますように。」と、大願を立てるのであった。
■意味3
度合いがはなはだしい様子。
[出典]:桐壺 源氏物語
「かれは、人の許しきこえざりしに、御心ざしあやにくなりしぞかし。」
[訳]:あの人は、周囲の人がお認め申し上げなかったのに、(帝の)ご寵愛がはなはだしく深かったことであるよ。
「かれは、人の許しきこえざりしに、御心ざしあやにくなりしぞかし。」
[訳]:あの人は、周囲の人がお認め申し上げなかったのに、(帝の)ご寵愛がはなはだしく深かったことであるよ。
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