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古文単語「とらす/取らす」の意味・解説【サ行下二段活用】 |
著作名:
走るメロス
15,608 views |
とらす/取らす
このテキストでは、サ行下二段活用の動詞「とらす/取らす」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
サ行下二段活用
未然形 | とらせ |
連用形 | とらせ |
終止形 | とらす |
連体形 | とらする |
已然形 | とらすれ |
命令形 | とらせよ |
■意味1:他動詞
与える、やる。
[出典]:にくきもの 枕草子
「また、酒飲みてあめき、口を探り、鬚ある者はそれをなで、盃、異人に取らするほどのけしき、いみじうにくしと見ゆ。」
[訳]:また、酒を飲んでわめき、口(の辺り)を触れて確かめ、髭のある者はそれをなで、杯を、他人に与えるような様子は、とてもしゃくに障ると感じる。
「また、酒飲みてあめき、口を探り、鬚ある者はそれをなで、盃、異人に取らするほどのけしき、いみじうにくしと見ゆ。」
[訳]:また、酒を飲んでわめき、口(の辺り)を触れて確かめ、髭のある者はそれをなで、杯を、他人に与えるような様子は、とてもしゃくに障ると感じる。
■意味2:補助動詞
〜てやる。
※この用法の場合、動詞の連用形+接続助詞「て」の下について用いられる。
[出典]:内沙汰
「そのおりに、わけてとらせう。」
[訳]:その時に、わけてやろう。
「そのおりに、わけてとらせう。」
[訳]:その時に、わけてやろう。
備考
上記意味1の「取らす」は、ラ行四段活用「取る」の未然形「とら」と使役の助動詞「す」が一語になったものであるが、上代で用いられる「取らす」は、ラ行四段活用「取る」の未然形と尊敬の助動詞「す」が一語になったものであり、「お取りになる」の意味となる。
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