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古文単語「とりつく/取り付く」の意味・解説【カ行四段活用/カ行下二段活用】 |
著作名:
走るメロス
12,341 views |
とりつく/取り付く
このテキストでは、古文単語「とりつく/取り付く」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
「とりつく」には
①カ行四段活用
②カ行下二段活用
の用法がある。
①カ行四段活用
未然形 | とりつか |
連用形 | とりつき |
終止形 | とりつく |
連体形 | とりつく |
已然形 | とりつけ |
命令形 | とりつけ |
■意味1:自動詞
すがりつく、しがみつく、取りすがる。
[出典]:木曾最期 平家物語
「馬の鼻を並べて駆けんとしたまへば、今井四郎、馬より飛び降り、主の馬の口に取りついて申しけるは...」
[訳]:(木曾殿が今井四郎の乗った馬と自分の)馬の鼻先を並べて駆けようとなさったので、今井四郎は、馬から飛び降り、主君(木曾殿)の馬の口に取りすがって申したことには...
※「とりつい」は「とりつく」の連用形「とりつき」のイ音便。
「馬の鼻を並べて駆けんとしたまへば、今井四郎、馬より飛び降り、主の馬の口に取りついて申しけるは...」
[訳]:(木曾殿が今井四郎の乗った馬と自分の)馬の鼻先を並べて駆けようとなさったので、今井四郎は、馬から飛び降り、主君(木曾殿)の馬の口に取りすがって申したことには...
※「とりつい」は「とりつく」の連用形「とりつき」のイ音便。
■意味2:自動詞
(霊や物怪などが)
乗り移る。
[出典]:楚王の夢 栄花物語
「いたう日頃弱らせたまへるに、御物の怪のとりつき奉りにければ...」
[訳]:とても最近衰弱していらっしゃるのに、物の怪が乗り移り申し上げてしまったので...
「いたう日頃弱らせたまへるに、御物の怪のとりつき奉りにければ...」
[訳]:とても最近衰弱していらっしゃるのに、物の怪が乗り移り申し上げてしまったので...
■意味3:自動詞
とりかかる、着手する。
■意味4:自動詞
手がかりを得る。
②カ行下二段活用
未然形 | とりつけ |
連用形 | とりつけ |
終止形 | とりつく |
連体形 | とりつくる |
已然形 | とりつくれ |
命令形 | とりつけよ |
■意味1:他動詞
作り付ける、取り付ける。
[出典]:宇治拾遺物語
「うるはしく取り付けて、肩脱ぎて...」
[訳]:きちんと(衣服を)作り付けて、肩脱ぎになって...
「うるはしく取り付けて、肩脱ぎて...」
[訳]:きちんと(衣服を)作り付けて、肩脱ぎになって...
■意味2:他動詞
(霊などを)
乗り移らせる、寄り付かせる。
[出典]:祝詞 出雲国造神賀詞
「己命を和魂を八咫の鏡にとりつけて...」
[訳]:ご自身の柔和な魂を八咫の鏡に乗り移らせて...
「己命を和魂を八咫の鏡にとりつけて...」
[訳]:ご自身の柔和な魂を八咫の鏡に乗り移らせて...
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