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古文単語「ありがたし/有難し」の意味・解説【形容詞ク活用】
著作名: 走るメロス
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ありがたし/有難し

このテキストでは、ク活用の形容詞「ありがたし/有難し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容詞・ク活用

未然形ありがたくありがたから
連用形ありがたくありがたかり
終止形ありがたし
連体形ありがたきありがたかる
已然形ありがたけれ
命令形ありがたかれ


意味1

めったにない、珍しい、まれである

[出典]ありがたきもの 枕草子
ありがたきもの。舅にほめらるる婿。」

[訳]めったにないもの。舅にほめられる婿。


意味2

(めったにないほど)
優れている、立派である、感心である、尊い

[出典]或者、子を法師になして 徒然草
「...とて、走り出でて行きつつ、習ひ侍りにけりと申し伝へたるこそ、ゆゆしく、有難う覚ゆれ。」

[訳]:...と言って、走り出て行き、学んで参りましたと(他の人に詳細を)取り次いで申し上げていることは、恐れ多く、立派に思われる。

※「有難う」は、連用形「ありがたく」のウ音便。




意味3

難しい、実現が困難である

[出典]:行幸 源氏物語
「さるべきついでなくては、対面もありがたければ...」

[訳]:そのような機会がなくては、対面することも難しいので...


意味4

暮らしにくい、生活しにくい、生きにくい

[出典]:東屋 源氏物語
「世の中は、ありがたく、むつかしげなるものかな。」

[訳]:世の中は、生きにくく、面倒そうであるものよ。


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