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古文単語「いりたつ/入り立つ」の意味・解説【タ行四段活用】
著作名: 走るメロス
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いりたつ/入り立つ

このテキストでは、タ行四段活用の動詞「いりたつ/入り立つ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

タ行四段活用

未然形いりたた
連用形いりたち
終止形いりたつ
連体形いりたつ
已然形いりたて
命令形いりたて


意味1:自動詞

立ち入る、深く入る

[出典]帰京 土佐日記
「京に入り立ちてうれし。」

[訳]:京に立ち入って嬉しい。


意味2:自動詞

親しく出入りする、親しくする

[出典]:淑景舎、東宮に 枕草子
「山の井の大納言は、入り立たぬ御兄にても、いとよくおはするかし。」

[訳]:山の井の大納言は、親しくなさらない御兄君の割には、(中宮様と)たいそう仲がよくていらっしゃる。




意味3:自動詞

物事に精通する、よく知っている

[出典]:何事も入りたたぬさましたるぞ 徒然草
「何事も入りたたぬさましたるぞよき。」

[訳]:何事でも(精通しているのに)精通していないふりをしているのがよい。


意味4:自動詞

(季節などが)
到来し始める、立ちそめる

[出典]:紫式部日記 紫式部
「秋のけはひ入り立つままに、土御門殿のありさま、いはむかたなくをかし。」

[訳]:秋の気配がやってくるにつれて、土御門殿のご様子は、言いようもなく趣深い。


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