新規登録 ログイン

9_80 文章の読み解き / 文章の読み解き

『ありがたきもの』 枕草子 わかりやすい現代語訳と解説

著者名: 走るメロス
Text_level_1
マイリストに追加
はじめに

ここでは、清少納言が書いた枕草子の72段「ありがたきもの」の現代語訳・口語訳とその解説を行っています。
「ありがたきもの」と聞いて、現代語での「ありがたいもの」と解釈しないように注意しましょう。古典で「ありがたし」は「めったにないもの」の意味です。

原文

ありがたきものにほめらるる婿。また、姑に思はるる嫁の君。毛のよく抜くる銀の毛抜。主そしらぬ従者。つゆのくせなきかたち心ありさますぐれ、世にふる程、いささか(きず)なき。

同じ所に住む人の、かたみに恥ぢかはし、いささかのひまなく用意したりと思ふが、つひに見えぬこそかたけれ。物語、集など書き写すに、本に墨つけぬ。よき草子などはいみじう心して書けど、必ずこそ汚げになるめれ

男女をば言はじ、女どちも、契り深くて語らふ人の、末までなかよき人、難し。

現代語訳

めったにないもの。舅にほめられる婿。また、姑に大切にされるお嫁さん。無駄毛がよく抜ける銀の毛抜き。主人のことを悪く言わない従者。少しも癖のない人。容姿や心や態度が優れ、世の中を渡る中で、少しも欠点のない人。

同じところに奉公して住んでいる人で、互いに気をつかって、少しの油断もなく心づかいしている人が、最後まで欠点を見せないということはめったにない。物語や説話集などを書き写すにあたって、本に墨をつけてしまわないこともめったにない。価値のある本などのときには大変心して書くのだが、必ず汚してしまう。

男女の仲については言うまでもないが、女同士でも、約束が確かで親しく付き合っている人で、最後まで仲のいい人というのは、めったにいない。

次ページ:品詞分解・単語・文法解説

1ページへ戻る
前のページを読む
1/2
次のページを読む

Related_title
もっと見る 


Keyword_title

Reference_title
『教科書 国語総合』 教育出版
佐竹昭広、前田金五郎、大野晋 編1990 『岩波古語辞典 補訂版』 岩波書店

この科目でよく読まれている関連書籍

このテキストを評価してください。

※テキストの内容に関しては、ご自身の責任のもとご判断頂きますようお願い致します。

 

テキストの詳細
 閲覧数 71,267 pt 
 役に立った数 88 pt 
 う〜ん数 5 pt 
 マイリスト数 0 pt 

知りたいことを検索!

まとめ
このテキストのまとめは存在しません。