更新日時:
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アテネの発展 ② |
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著作名:
エンリケ航海王子
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紀元前6世紀ころになると、経済活動の発達と共に、その時流に乗れなかった平民が借財によって身体を抵当に入れて、隷属的労働をせざるを得ない状況に陥るようになりました。ようするに、平民でありながら借金によって債務奴隷になる人が増えたということです。
こうした中、紀元前594年に、ソロンという改革者が現れ、国政を改革します。
(ソロン)
ソロンの改革の内容は以下の3つです。
債務を抱えた平民が転落するのを防ぐために、借金を帳消しにしました。
同じく、平民が借金によって身体を抵当に入れ、債務奴隷となることを防ぐために定められました。
アテネ市民を、所有地の農業生産物を財産と規定して、その規模に応じて4つの身分に分けました。メディムノスという穀物の単位が使われ、第1身分が500メディムノス以上、第2身分(騎士級)が300メディムノス、第3身分(農民級)が200メディムノス、第4身分(労働者級)が200メディムノス以下と定められました。
ソロンの改革は次第に貴族と平民双方から不満が出て、結局両者の対立を解消することはできませんでした。
ソロンの改革以後も貴族と平民の対立は続くのですが、やがて貴族からペイシストラトスという人物が出てきて、アテネの政治は大きく変わることになります。
ペイシストラトスは戦争で活躍した貴族で、貧しい平民の支持を得て非合法に権力を握って僭主となり、僭主政治を行いました。
僭主(せんしゅ)とは、非合法的に政権を取った独裁者のことです。tyrannosと書かれ、暴君(tyrant)の語源でもあります。恐竜のティラノサウルスの名前の由来はここからきています。
この僭主政治は30年近く続き、その間亡命貴族の土地を貧しい農民に分配したり、ラウレイオン銀山を開発した資金を元に文化事業にも力を入れました。
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