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古文単語「やぶる/破る」の意味・解説【ラ行四段活用/ラ行下二段活用】 |
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著作名:
走るメロス
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このテキストでは、古文単語「やぶる/破る」の意味、活用、解説とその使用例を記している。
※「やぶる」には、
①ラ行四段活用
②ラ行下二段活用
の用法がある。
未然形 | やぶら |
連用形 | やぶり |
終止形 | やぶる |
連体形 | やぶる |
已然形 | やぶれ |
命令形 | やぶれ |
破壊する、壊す、砕く。
[出典]:宇治拾遺物語
「厚行が隔ての垣をやぶりて、それより出だしたてまつらん。」
[訳]:厚行の(家の方の)仕切りの垣根を壊して、そこからお出ししよう。
「厚行が隔ての垣をやぶりて、それより出だしたてまつらん。」
[訳]:厚行の(家の方の)仕切りの垣根を壊して、そこからお出ししよう。
(心や体を)
傷つける、損なう。
[出典]:顔回は 徒然草
「身を破るよりも、心を傷ましむるは、人を害ふことなほ甚だし。」
[訳]:身を傷つけるよりも、心を傷つけることが、人を傷つける度合いがいっそうひどい。
「身を破るよりも、心を傷ましむるは、人を害ふことなほ甚だし。」
[訳]:身を傷つけるよりも、心を傷つけることが、人を傷つける度合いがいっそうひどい。
(戒律や規律を)
犯す、無視する。
[出典]:世には、心得ぬ事の多きなり 徒然草
「万の戒をやぶりて、地獄に堕つべし。」
[訳]:多くの戒めを犯して、地獄にきっと落ちるだろう。
「万の戒をやぶりて、地獄に堕つべし。」
[訳]:多くの戒めを犯して、地獄にきっと落ちるだろう。
(敵を)
打ち破る、負かす。
[出典]:木曾最期 平家物語
「そこを破つて行くほどに、土肥の二郎実平二千余騎でささへたり。」
[訳]:そこを打ち破って行くうちに、土肥の二郎実平が2000余騎で(行く手を)阻んでいる。
※「破つ」は連用形の撥音便。
「そこを破つて行くほどに、土肥の二郎実平二千余騎でささへたり。」
[訳]:そこを打ち破って行くうちに、土肥の二郎実平が2000余騎で(行く手を)阻んでいる。
※「破つ」は連用形の撥音便。
未然形 | やぶれ |
連用形 | やぶれ |
終止形 | やぶる |
連体形 | やぶるる |
已然形 | やぶるれ |
命令形 | やぶれよ |
壊れる、砕ける。
[出典]:徒然草
「物は破れたる所ばかりを修理して用ゐることぞ...」
[訳]:物は壊れている部分だけを修理して使用するものだ...
「物は破れたる所ばかりを修理して用ゐることぞ...」
[訳]:物は壊れている部分だけを修理して使用するものだ...
成り立たなくなる、途中でだめになる。
[出典]:或者、子を法師になして 徒然草
「一事を必ず成さんと思はば、他の事の破るるをも傷むべからず。」
[訳]:ひとつのことを必ず成し遂げようと思うのであれば、その他のことが途中で成り立たなくなるのをも嘆いてはならない。
「一事を必ず成さんと思はば、他の事の破るるをも傷むべからず。」
[訳]:ひとつのことを必ず成し遂げようと思うのであれば、その他のことが途中で成り立たなくなるのをも嘆いてはならない。
負ける、敗れる。
[出典]:敦盛の最期 平家物語
「戦破れにければ、熊谷次郎直実...」
[訳]:(一の谷の戦いで平氏は)戦に敗れたので、熊谷次郎直実は...
「戦破れにければ、熊谷次郎直実...」
[訳]:(一の谷の戦いで平氏は)戦に敗れたので、熊谷次郎直実は...
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