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古文単語「すごし/凄し」の意味・解説【形容詞ク活用】
著作名: 走るメロス
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すごし/凄し

このテキストでは、ク活用の形容詞「すごし/凄し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容詞・ク活用

未然形すごくすごから
連用形すごくすごかり
終止形すごし
連体形すごきすごかる
已然形すごけれ
命令形すごかれ


意味1

物寂しい、寒々としている

[出典]門出・東路の道の果て 更級日記
「年ごろ遊び慣れつる所を、あらはにこほち散らして、立ち騒ぎて、日の入り際の、いとすごく霧り渡りたるに...」

[訳]:ここ数年遊びなれた家を、丸見えになるほど乱雑に壊して、大騒ぎをし、日がちょうど沈むときで、とても物寂しく霧が一面にたちこめているときに...


意味2

恐ろしい、気味が悪い

[出典]:若紫 源氏物語
「あられ降り荒れて、すごき夜のさまなり。」

[訳]:あられがひどく降り、恐ろしい夜の様子です。




意味3

ぞっとするほど素晴らしい

[出典]:若菜下 源氏物語
「なまめかしくすごうおもしろく、所柄はまして聞こえけり。」

[訳]:(舞楽の演奏は、)優雅でぞっとするほど素晴らしく趣があり、(住吉大社という)場所柄よりいっそう(素晴らしく)聞こえた。


意味4

冷ややかである

[出典]:箒木 源氏物語
「心ひとつに思ひ余るときは、言はむ方なくすごき言の葉、あはれなる歌を詠み置き...」

[訳]:(女がつらい思いを)自分の胸の中には収まりきらなくなる時は、言いようのない冷ややかな言葉(を男に伝え)、悲しい歌を詠み残して...


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