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『神奈備(かむなび)の三室(みむろ)の山を秋行けば錦断ち切る心地こそすれ』現代語訳と品詞分解
著作名: 走るメロス
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『神奈備の三室の山を秋行けば錦断ち切る心地こそすれ』現代語訳と解説

このテキストでは、古今和歌集に収録されている歌「神奈備の三室の山を秋行けば錦断ち切る心地こそすれ」の現代語訳・口語訳、解説、そして品詞分解を記しています。



古今和歌集とは

古今和歌集(こきんわかしゅう)は、平安時代前期の勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)です。勅撰和歌集とは、天皇や上皇の命令により編集された和歌集のことです。


原文

神奈備の 三室の山を 秋行けば 錦断ち切る 心地こそすれ

ひらがなでの読み方

かむなびの みむろのやまを あきゆけば にしきたちきる ここちこそすれ

現代語訳

神がいらっしゃる三室の山を秋の季節に通ってみると、(紅葉の葉が散って体にくっつくので)錦の布を仕立てて着ているような気持ちがすることです。

解説・鑑賞のしかた

散って体に付着する紅葉の様子が、錦の着物を仕立てて着ているようだと詠んだ歌です。

単語

神奈備神の辺り
三室の山「御室の山」とも書き、神が降臨してまつられている山のこと。ここでは奈良県の神奈備山(かんなびやま)を指している。歌枕として用いられる代表的なもののひとつ
たちきる「裁ちて着る」のことで、仕立てて着る
心地こそすれ「こそ~すれ」で係り結び


品詞分解

※名詞は省略しています。

神奈備
格助詞
三室
格助詞
格助詞
行けカ行四段活用・已然形
接続助詞
たちきるカ行上一段活用・連体形
心地
こそ係助詞
すれサ行変格活用・已然形


著者情報:走るメロスはこんな人

学生時代より古典の魅力に取り憑かれ、社会人になった今でも休日には古典を読み漁ける古典好き。特に1000年以上前の文化や風俗をうかがい知ることができる平安時代文学がお気に入り。作成したテキストの総ページビュー数は1,6億回を超える。好きなフレーズは「頃は二月(にうゎんがつ)」や「月日は百代の過客(くゎかく)にして」といった癖のあるやつ。早稲田大学卒業。

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