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正岡子規『送夏目漱石之伊予』現代語訳・書き下し文と解説
著作名: 走るメロス
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正岡子規『送夏目漱石之伊予』

ここでは、正岡子規が詠んだ『送夏目漱石之伊予』(夏目漱石の伊予に之くを送る)の書き下し文、現代語訳(口語訳)とその解説を行っています。

白文(原文)

左から右に読んでください

去 矣 三 千 里

送 君 生 暮 寒

空 中 懸 大 岳

海 末 起 長 瀾

僻 地 交 遊 少

狡 児 教 化 難

清 明 期 再 会

莫 後 晩 花 残


書き下し文

去(ゆ)けよ三千里

君を送れば暮寒(ぼかん)生ず

空中に大岳(たいがく)懸かり

海末に長瀾(ちょうらん)起こる

僻地 交遊少(まれ)に

狡児(こうじ) 教化難からん

清明 再会を期す

後るる莫かれ晩花の残(そこ)なはるるに

現代語訳(口語訳)

行きなさい、三千里(の彼方にある国へ)

君を見送ると夕暮れの寒さが身にしみる

(伊予での道中で君は)空には高大な山(富士山)がかかって(いるのを)

(そして)海の果てに大波がおこっている(のを目にするだろう)

(伊予のような)僻地では交遊する人は少ないだろし

いたずら好きの少年たちを教えることは難しいだろう

清明節のころにまた会うことを約束しよう

遅れるなよ。遅く咲く花(桜)が散ってしまわないように


形式

この漢詩は五つに並んだ漢字が八つの行からなる、五言律詩というスタイルをとっています。「寒(カン)」、「瀾(ラン)」、「難(ナン)」、「残(ザン)」が韻を踏んでいます。(押韻という)

単語解説

暮寒夕暮れの寒さ
大岳高大な山。ここでは富士山のことを指す
長瀾大波、長波
狡児いたずら好きの子供
晩花遅く咲く花。ここでは桜のことを指す



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