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風姿花伝『十二、三より』の現代語訳・内容
著作名: 走るメロス
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風姿花伝『十二、三より』

ここでは、風姿花伝の中の『十二、三より』の現代語訳をしています。

原文(本文)

この年のころよりは、はややうやう声も調子にかかり、能も心づくころなれば、次第次第に、物数をも教ふべし。まづ、童形なれば、何としたるも幽玄なり。声も立つころなり。二つのたよりあれば、わろきことは隠れ、よきことはいよいよ花めけり。おほかた、児の申楽に、さのみにこまかなる物まねなどは、せさすべからず。当座も似合はず、能もあがらぬ相なり。

現代語訳(口語訳)

この年頃からはもう、歌う声も音階に合うようになり、能もわかってくるころなので、順をおって、様々なことを教えるのが良いでしょう。まず、(この年頃の子は)稚児の姿であるので、何をどのようにしても(演じても)美しいです。声も引き立つころです。2つの長所(姿と声)があるので、悪いところは表に出ず、よい点は、ますますはなやかに見えます。一般的に、子どもの猿楽に、それほど細かい物まねなどは、させるべきではありません。(やったところで)その場にそぐわなく、芸も上達はしません。

品詞分解

品詞分解はこちら
風姿花伝『十二、三より』の品詞分解

単語解説

はやもう、すでに
童形稚児の姿をしている
幽玄なり美しい
たより「頼みとなっているもの」ここでは長所と訳している
おほかた一般的に、だいたい


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