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欧米の中国侵略 4 アロー戦争の原因と結果、南京条約・北京条約の締結と影響、各条約のまとめ |
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著作名:
ピアソラ
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アヘン戦争が終わり、南京条約によって強制的に開国させられた清朝に対し、イギリスは積極的な貿易活動を再開しましたが、イギリス製品は中国市場であまり売れないという状況は変わりませんでした。
欧米の中国輸出が期待ほど伸びなかった理由として、清朝がその後も排外的な態度をとりつづけたことや、閉鎖的で自給自足生活を営む小さな経済圏が、さまざまな地域ごとに分立するという中国の独特な経済特質が関係していました。
こうした状況を打開するため、欧米列強は一層の貿易の拡大を目指すようになりました。
1856年10月、広州でイギリス船籍の帆船アロー号が、海賊容疑で取り調べを受け、中国人船員が海賊容疑で逮捕されるという事件が起こりました。これをアロー号事件といいます。
(アロー号事件)
このアロー号事件の際、自国の国旗を清朝の官憲が引きずり下ろしたことをイギリス側が侮辱されたと主張し、この事件を口実として清朝に出兵し、アロー戦争(1856〜1860)が始まります。
アロー戦争には、1856年に起こったフランス人宣教師殺害事件を口実とし、フランスのナポレオン三世も清朝に対し宣戦布告しました。
イギリス・フランス連合軍は1858年に広州を占領後、北上して天津に迫りました。
(アロー戦争)
こうした軍事行動に清朝は屈服し、同年イギリス・フランス・ロシア・アメリカと天津条約が結ばれます。
(天津条約の締結)
天津条約は以下の内容が締結されました。
この中でも新たな開港として牛荘(満州)、登州(山東)、漢口(長江沿岸)、九江(長江沿岸)、鎮江(長江沿岸)、台南(台湾)、淡水(台湾)、潮州(広東省東部、後に同地方の汕頭に変更)、瓊州(海南島)、南京(長江沿岸)など華北や長江流域の内陸港を含む10港が開港されたことで、中国に対するより一層の貿易拡大のための下地が出来上がります。
天津条約の受け入れには咸豊帝をはじめ清朝内でも反対が多く、こうした内部の混乱から1859年に英仏の使節が清軍により砲撃を受けたため、戦争が再開されてしまいます。
1860年、イギリス・フランス連合軍は北京を占領し、円明園という清朝の離宮を破壊するなど略奪を行いました。
(円明園の略奪)
同年清朝は、ロシア公使の仲介をうけて、新たに北京条約を結びます。内容は以下でした。
また、外国の公使が北京に駐在することになったため、北京に総理衙門(総理各国事務衙門)という外務官庁が作られました。
仲介にあたったロシアもイギリス・フランスに続き1860年に清と独自の北京条約を結び、ウスリー川以東の沿海州を獲得します。
沿海州はシベリアの東南部で、日本海に面した地域です。ここに1860年からシベリア総督ムラヴィヨフによってウラジヴォストークという港町が作られ、以後ロシアの極東戦略の拠点になっていきます。
北京条約締結後、アヘン貿易は完全に合法化し、中国市場は欧米諸国にほぼ開放されました。
また、当時国内製品には厘金(国内の関税)という税金が課せられていましたが、外国商品にはこの税が完全に免除されたため、外国商品が中国の国内商品に比べ圧倒的に安くなり、木綿工業など中国の伝統的な産業は大打撃を受けてしまいました。
また、南京条約後上海に設置された租界という外国人居留地が広州・天津・厦門などにも作られ、清朝は西欧列強から政治・経済的にさまざまな圧力を受けることになり、中国の半植民地化が進んでいきました。
条約名 | 内容 |
南京条約(1842年) | (1)広州・福州・厦門・寧波・上海開港(2)公行の廃止(3)賠償金1800万両(4)香港割譲 |
五港通商章程(1843年) | 英の領事裁判権を認める |
虎門寨追加条約(1843年) | (1)輸出入税率(2)片務的最恵国待遇(3)開港場の土地租借 |
望厦条約(1844年:対米) | 南京条約とほぼ同じ内容 |
黄埔条約(1844年:対仏) | 南京条約望厦条約とほぼ同じ内容 |
条約名 | 内容 |
天津条約(1858年) | (1)外国公使の北京在住(2)キリスト教布教の自由(3)中国国内の旅行の自由(4)開港場の増加(5)英仏へ600万両の賠償金 |
北京条約(1860) | (1)アヘン貿易の公認(2)長江航行の自由(3)天津の開港(4)九龍半島の一部を英に割譲(他)露に沿海州割譲 |
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