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帝国主義とアフリカ分割(3C政策、3B政策、ファショダ事件など) 受験対策問題 86 |
著作名:
レキシントン
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帝国主義とアフリカ分割で押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
ヨーロッパ列強によるアフリカ分割
・アフリカは以前より暗黒大陸と呼ばれ、奴隷貿易などで世界貿易とつながっていた。1880年頃より、イギリス・フランスが植民地化を進めたことをきっかけに、ドイツ・イタリアを含むアフリカ分割がはじまった。アフリカ奥地は、イギリスの探検家リヴィングストンや、アメリカの探検家スタンリーなどにより開拓されていった。
・1884年から1885年にかけて、ベルギーのコンゴ領有をめぐる紛争を調停するため、ビスマルクがベルリン会議を開催した。この会議の結果、占領した順番に領有権が与えられる先占権が確認され、これ以降アフリカ分割競争は加速した。
・ベルギー国王レオポルト2世は、アメリカ人探検家スタンリーを援助し、私領としてコンゴ自由国を建設した。その後一部をフランス・ポルトガルに譲り、1908年以降ベルギー政府に譲渡した。
イギリスによる侵略
・エジプトでは、1881年から1882年にかけてウラービーの反乱が起こった。この反乱を鎮圧したイギリスは、1882年にエジプトを事実上の支配下に置き、1914年に保護国化した。
・スーダンでは、1869年以降イギリスの侵略が続き、1899年にイギリス・エジプトの共同管理かに置かれた。1881年から1898年にかけて、スーダンのイスラーム教徒がマフディーの乱を起こした。ムハンマド=アフマドによって創始されたマフディー派の抵抗運動は続き、イギリスは鎮圧に10年を要した。この戦いには、アロー戦争に従軍し常勝軍を指揮し太平天国の乱を鎮圧した軍人ゴードンも参加していたが、マフディー軍との戦いで戦死した。
・イギリスは、自国の帝国主義政策として、ケープタウン・カイロ・カルカッタを結ぶ3C政策をとり、これら都市を結ぶ地域の植民地化を目指した。3C政策はドイツの3B政策と対立した。
・イギリスは、その他にも、オマーン・ザンジバル王国・ブガンダ王国・ズールー王国・アシャンティ王国などを支配するようになった。
・南アフリカでは、17世紀以降ケープ植民地に入植したオランダ系移民のブール(ボーア)人が住んでいたが、1814年にケープ植民地がイギリスに占領されると、新天地を求めグレート=トレックを行い、トランスヴァール共和国(1852~1902)とオレンジ自由国(1854~1902)を建国した。
・ケープ植民地の首相となったセシル=ローズは、ダイヤモンドや金の採掘を独占し、巨万の富を得た。更に、イギリスの帝国主義政策を推進し、南アフリカのアパルトヘイト政策もはじめた。現在のジンバブエやザンビアを合わせた地域は、彼の名からローデシアと名付けられた。
・トランスヴァール共和国やオレンジ自由国ではダイヤモンドや金の鉱脈が見つかり、これがきっかけとなりイギリスの侵略を受けた。1899年から1902年にかけて、トランスヴァール共和国・オレンジ自由国とイギリスの間で、南アフリカ(ブール)戦争がおこった。この戦争でブール人はゲリラ戦で抵抗したため、イギリスは45万人の兵力を投入せざるをえなかった。この戦いに勝利したイギリスは、1910年にケープ・トランスヴァール・オレンジ・ナタールの4州からなる南アフリカ連邦を成立させた。この連邦成立時から、白人有意の人種差別・隔離政策としてアパルトヘイト政策が行われるようになった。
フランスによる侵略
・フランスは北アフリカのアルジェリアをシャルル10世が占領し、その後ルイ=フィリップがフランスの直轄地とした。また、1881年にチュニジアを保護国化した。
・フランスは、その後ダホメ王国・ギニア・マダガスカル・ジブチ・サモリ帝国などを支配するようになった。フランスは、西アフリカからサハラ砂漠を横断し、ジブチ・マダガスカルをつなげるアフリカ横断政策をとった。
・1898年には、アフリカ縦断政策をとるイギリスと、横断政策をとるフランスが、スーダンのファショダで衝突したファショダ事件がおこった。この結果、戦争の危機が訪れたが、最終的にフランスが譲歩し、スーダンはイギリス・エジプトが獲得した。これ以降、イギリスとフランスの関係は急速に良好になっていった。1904年、英仏協商が結ばれ、イギリスのエジプト、フランスのモロッコにおける優越権が相互に承認された。
ドイツによる侵略
・ドイツは、1891年に直轄植民地として、現在のルワンダ・タンザニアなどの地域に東アフリカ植民地を建設した。また、現在のナミビアにあたる地域に西南アフリカ植民地を建設し、西アフリカのカメルーンを1902年に領有した。
・英仏協商によってイギリスの援助を受けたフランスがモロッコに進出すると、これに対抗して1905年3月、ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世がタンジールを訪問し、モロッコの領土保全・門戸開放をもとめた第1次モロッコ事件(タンジール事件)がおこった。これを収拾するため、1906年にアルヘシラス会議が開催され、ドイツが譲歩し、モロッコはフランスとスペインの勢力下に置かれた。しかし、1911年にモロッコで起きた反乱を鎮圧するためフランスが出兵すると、ドイツ軍艦船がアガディール港に現れフランス軍と対立した。これを第2次モロッコ事件(アガディール事件)といい、ドイツはコンゴの一部を獲得し、譲歩した。その後1912年に、フランスはモロッコを保護国化した。
イタリアによる侵略
・アフリカ東海岸のソマリランドは、北からフランス・イギリス・イタリア領にそれぞれ分割された。
・イタリアは、エチオピア帝国北部のエリトリアを分離させ、1885年に占領した。1895年からイタリアはエチオピアに侵入したが、メネリク2世率いるエチオピア帝国に完敗した。
・1911年からイタリアは、トルコ領のトリポリ・キレナイカの領有をはかり、伊土(イタリア=トルコ)戦争をはじめた。1912年のローザンヌ条約でトリポリ・キレナイカの支配権を得たイタリアは、この地域を古名にちなんでリビアと改称した。
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