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ラテンアメリカの従属と抵抗、バルカン危機(メキシコ革命、バルカン戦争など) 受験対策問題 88 |
著作名:
レキシントン
10,608 views |
ラテンアメリカの独立運動とバルカン危機で押さえておきたいポイント
※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
カリブ海の動き
・1889年、アメリカのワシントンでパン=アメリカ会議が開かれ、アメリカ大陸の諸問題に対する討議が行われた。この会議は、過去のパナマ会議を引き継ぎ成立し、1948年以降は米州機構(OAS)に改変され、重要な役割を果たした。
・アメリカは自国の裏庭とも言えるカリブ海を制圧しようとカリブ海政策をはじめるようになり、1867年にメキシコに対するフランスの干渉を排除して以降カリブ海政策は本格化し、セオドア=ローズヴェルトの時代に明確化した。
・[redキューバ]では、宗主国スペインに対する独立運動が始まり、第1次独立戦争(1868~1878)、第2次独立戦争(1895~1898)が起こった。
・1898年には、キューバの独立運動とハバナ湾のアメリカ艦船メーン号が爆沈されたことを口実にアメリカがスペインに宣戦布告し、米西戦争(1898)がはじまった。アメリカは4ヶ月で勝利し、キューバ独立やスペインからフィリピン・プエルトリコ・グアムを獲得した。1901年、キューバ独立憲法にプラット条項が設けられ、キューバと他国の条約および借款の制限、アメリカの干渉権や海軍基地設置権などが決められ、キューバは事実上アメリカの保護国とされた。
・この他にも、アメリカはプエルトリコ、ドミニカ、パナマ、ニカラグア、ハイチなどに干渉した。
メキシコ革命
・同時期、メキシコでは本格的な民主主義革命が起こった。1876年以降クーデターにより独裁政権を樹立したディアスは、1911年に自由主義者マデロが武装蜂起を起こし、追放させられた。
・マデロはこの武装蜂起後大統領となったが、その後農民指導者のサパタの派閥と
対立し、ウェルタ将軍のクーデターにより打倒された。ウェルタ政権も1914年打倒され、メキシコはカランサ派・ビリャ派・サパタ派による内乱が続いた。1915年、最終的にカランサ派が勝利し、1917年に憲法が制定され、革命は終結した。
列強の対立
・ヨーロッパでは、帝国主義国家間で対立が深まっていた。1873年、ビスマルクの主導で、ドイツのヴィルヘルム1世、オーストリアのフランツ=ヨーゼフ1世、ロシアのアレクサンドル2世の間で三帝同盟が結ばれた。また、1879年、ドイツとオーストリアの間で独墺同盟が結ばれた。
・1882年から1915年にかけて、ドイツ・オーストリア・イタリアの間で三国同盟が成立した。また、1887年には、フランスとロシアが接近することを防ぐため、ドイツ・ロシア間で再保障(二重保障)条約が結ばれた。
・こうした列強の同盟が進む中、ビスマルクが引退し、ヴィルヘルム2世が再保障条約を拒否したことで、1891年から1894年にかけて、露仏同盟が成立した。普仏戦争以降孤立していたフランスが、ロシアと手を結んだことで、三国同盟に対抗する政治・軍事協定ができあがった。
・他方、帝国主義政策としてベルリン・ビザンティウム(イスタンブル)・バグダートを結ぶドイツの3B政策と、ケープタウン・カイロ・カルカッタを結ぶイギリスの3C政策が対立するようになった。また、ドイツとイギリスは、それぞれ海軍力を増強するために建艦競争をはじめた。こうした状況の中、イギリスは「光栄ある孤立」という伝統的政策を捨て、1902年に日本と日英同盟を、その後1904年に英仏協商、1907年に英露協商が結ばれ、この結果三国協商が成立した。三国協商成立により、イギリス・フランス・ロシアによるドイツ包囲網ができ、三国同盟と対立するようになった。
バルカン危機
・オスマン帝国衰退後のバルカン半島は、小国のナショナリズムの高揚と、それを利用するロシアのパン=スラヴ主義とドイツのパン=ゲルマン主義という2つの帝国主義が対立し、「ヨーロッパの火薬庫」という状況が続いていた。
・1878年にオスマン帝国から独立したセルビアは、ロシアのパン=スラヴ主義の先頭にたった。バルカン半島では、1908年にブルガリア独立、同年オーストリアによるボスニア=ヘルツェゴビナ併合などがおこっていた。こうした中、反オーストリアのバルカン同盟が結成され、1912年第1次バルカン戦争がおこった。これは、バルカン同盟とオスマン帝国の戦いで、戦後オスマン帝国はイスタンブルを除くヨーロッパの領土とクレタ島を失った。1913年には、第1次バルカン戦争後のブルガリア領土が過大であるとして、セルビア・ギリシア・モンテネグロ・ルーマニア・オスマン帝国がブルガリアを攻撃し第2次バルカン戦争がおこった。この結果多くの領土を失ったブルガリアは、ドイツ・オーストリア側についた。
・危機的な国際情勢に対して、ロシア皇帝ニコライ2世は1899年、1907年の二回にわたって万国平和会議を開き、オランダのハーグに国際仲裁裁判所が設置された。また、ロシアのトルストイ、フランスのアナトール=フランス、ロマン=ロランなどの文学者、ラッセルなどの哲学者などを中心に反戦運動がおこった。
・ドイツでは女性革命家ローザ=ルクセンブルクが反戦運動をおこし、1890年にドイツ社会主義労働者党が改称し成立したドイツ社会民主党が社会主義及び労働者国際組織の第2インターナショナルを通じ帝国主義戦争に反対した。1912年に開かれたバーゼル臨時大会で、第2インターナショナルは戦争反対を決議した。
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