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蜻蛉日記原文全集「かくて、あるやうありてしばし旅なるところにあるに」 |
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著作名:
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かくて、あるやうありてしばし旅なるところにあるに、ものして、つとめて、
「今日(けふ)だにのどかにと思ひつるを、便なげなりつれば、いかにぞ。身には山がくれとのみなん」
とある返りごとに、ただ
おもほえぬかきほにをればなでしこの はなにぞ露はたまらざりける
などいふほどに、九月になりぬ。
つごもりがたにしきりて二夜ばかり見えぬほど、文ばかりあるかへりごとに、
きえかへりつゆもまだひぬ袖のうへに けさはしぐるるそらもわりなし
たちかへり、返りごと、
おもひやる心のそらになりぬれば けさはしぐるとみゆるなるらん
とて、返りごと書きあへぬほどに、見えたり。又、ほどへて、見えおこたるほど、あめなどふりたる日
「暮に来ん」
などやありけん、
かしはぎのもりのしたくさくれごとに なほたのめとやもるをみるみる
返りごとは、みづから来てまぎらはしつ。
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