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大英帝国による三角貿易 ~茶・アヘン・綿織物~ |
著作名:
John Smith
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三角貿易とは
三角貿易は、二国間で行われていた貿易のどちらかが長期的に赤字状態が続いた場合、それを是正するために第三国を取り入れることで行われる貿易のことです。
ここでは、19世紀に行われた、大英帝国とインド、中国の三角貿易を説明します。
イギリスの対中貿易
イギリスの東インド会社は18世紀後半に、対中貿易をほぼ独占し、莫大な利益をあげていました。
ところが、1780年代からイギリスで紅茶を飲む習慣が爆発的に広まり、国民的飲料になっていきます。
この時代以降、イギリスは中国から多くの茶葉を輸入する必要が生まれ、購入の対価であるイギリス国内の銀が、急速に中国国内に流入するようになりました。
イギリスは、中国との二国間貿易で、大幅な赤字貿易をせざるを得ない状況になったのです。
産業革命とインド
一方、イギリスでは18世紀以降、産業革命という大きな転換点を迎えます。様々な技術革新により、社会構造が劇的に変化しました。
この産業革命は、安価な機械製綿織物の大量生産を可能にし、インドに大量の機械製綿織物が流入しました。これにより、インドの伝統的な綿織物産業は壊滅状態になりました。
後世の経済学者カール・マルクスはこの時のインドの状況を、「英国帝国主義者たちは、インド手紡ぎ職人の白骨で大地を白く染めた」と表現しました。
1820年以降、インドは綿織物の輸出国から綿織物の輸入・原料供給地となっていきました。
アヘンの密輸
同じ時期、イギリスは中国にも安価な機械製綿織物を輸出しようと試みました。ところが当時の中国では農村家内工業の綿織物産業が成立していて、同じく安価な製品を生産していました。
また、中国は貿易港を広州の一港に制限していたため、思うように貿易が伸びません。
こうした中、イギリスは、インド産の麻薬、アヘンの密貿易を開始したのです。
こうした状況から、イギリスからインドに綿織物、インドから中国にアヘンと綿花、中国からイギリスに茶葉という三角貿易が成立したのです。
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