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中世ヨーロッパ都市の発展(ヴェネツィア・フィレンツェ・ハンザ同盟など) 受験対策問題 46 |
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著作名:
レキシントン
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※赤字部分が問題に出そうな部分です。赤色の暗記シートなどで隠して見てください。
・10世紀から11世紀にかけて、中世ヨーロッパでは封建社会が安定的になり、荘園内の生産性も向上し、人口が増加していった。また、ヨーロッパ各地で余剰生産物が増え、それらを交換する商人という職業が生まれ、定期市などが頻繁に開催された。
・十字軍の遠征により、ヨーロッパ以外の交易路が開拓されると、ヨーロッパの商人たちは、イスラーム商人やヴァイキングとも交易を行い、地中海地域と北海・バルト海地域への遠隔地商業が盛んとなった。その際貨幣を使用するようになり、一方で交易の利便性・安全性を担保するため、各地で商人集落を形成し、それらは次第に中世都市へと発展していった。
・地中海地域では、イタリアのヴェネツィア・ジェノヴァ・ピサなどの海港都市が東方貿易(レヴァント貿易)を行い、香辛料や絹織物などを東方から仕入れ、ヨーロッパ各地に販売し、莫大な利益をあげるようになった。また、イタリアでは、ミラノやフィレンツェなどの内陸都市も、毛織物をはじめ、貨幣経済の進展に伴い金融業で栄えた。
・北海やバルト海地域では、北ドイツのハンブルク・リューベック・ブレーメン、フランドル地方のガン・ブリュージュ、イギリスのロンドンが北ヨーロッパ商業圏を形成し、木材・海産物・塩・毛皮・穀物・鉄・毛織物などの交易で栄えた。
・地中海商業圏と北ヨーロッパ商業圏を結ぶ重要地域には、ドイツのケルン・マインツ・ニュルンベルク・アウグスブルク・ミュンヘン、フランスのシャンパーニュ地方やパリ・ルーアン・リヨン・ボルドーなどが発達した。
・後世のベルギーの歴史家ピレンヌは、このような都市と商業の発達を、「商業の復活(商業ルネサンス)」と表現した。
・中世都市の経済力が上がるにつれ、封建領主からの自立するための自治権を都市が求めるようになった。国王や領主などから、都市に対する様々な権力の放棄・委譲を認めた特許状をもとめ、都市の有力者たちは自治権獲得を目指したコミューン運動を行った。特許状の内容は、市場権・貨幣鋳造権・居住権・交易権・自治権などであった。
・13世紀に入ると、封建領主から独立した自治都市が各地に形成された。イタリアでは、カロリング朝断絶以降各都市の有力者が政治を行うコムーネ(都市共和国)が誕生し、ヴェネツィア・ミラノ・フィレンツェ・ジェノヴァなど、さまざまなコムーネがイタリア各地にできた。また、ドイツでは、神聖ローマ皇帝から自治権を与えられた帝国都市が成立し、諸侯と同様の地位を得た。帝国都市は後に自治が強まり、自由都市と呼ばれるようになっていった。
・自立した都市は、封建領主からの圧迫に対抗するため、都市同盟を結んだ。イタリアでは、ミラノを中心とする都市がロンバルディア同盟を結び、神聖ローマ帝国の南下政策に対抗した。ロンバルディア同盟は2回結ばれ、第1回はフリードリヒ1世に、第2回はフリードリヒ2世に対抗するためであった。
・北ドイツでは13世紀から17世紀まで続くハンザ同盟が結ばれた。リューベックを中心に1358年から明確な都市同盟となり、封建領主に対抗し、北海・バルト海地域の商業圏を支配した。ハンザ同盟は16世紀以降衰退し、ドイツ三十年戦争後締結されたウェストファリア条約で解散した。
・こうした自由都市に農奴が一定期間住み続けると、その身分から開放されたことから、「都市の空気は自由にする」ということわざも生まれた。しかし、あくまでも封建領主支配からの自由であり、都市の生活には明確な階層があった。
・中世都市において、商人や職人たちは、ギルドという組合をつくり、市場の独占と相互扶助を行った。ギルドは商人ギルドと同職ギルド(ツンフト)があり、市政を独占していた商人ギルドに対し、ツンフト闘争がおこり、次第に同職ギルドも市政に参加するようになった。
・新たな都市貴族層もうまれ、フィレンツェのメディチ家やアウグスブルクのフッガー家などが有名である。
・ユダヤ教を信じるユダヤ人は、中世を通じて差別や迫害にあった。いくつかの中世都市にはゲットーというユダヤ人隔離所住区が設置された。1215年にラテラノ会議(第4回)が開かれると、ユダヤ人の社会的差別が決定的となり、キリスト教徒との通婚や荘園経営が禁止された。職業を制限されたユダヤ人たちは金貸しや金融業に向かい、キリスト教徒から更に憎まれるようになった。
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