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今昔物語集『検非違使忠明』(今は昔、忠明といふ検非違使〜)の品詞分解(助動詞・動詞・活用など)
著作名: 走るメロス
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今昔物語集「検非違使忠明」

このテキストでは、今昔物語集に収録されている、『検非違使忠明・けびいしただあきら』(今は昔、忠明といふ検非違使ありけり〜) の品詞分解をしています。同様の話が宇治拾遺物語/古本説話集にも収録されていますが、今昔物語集のものとは若干、内容が異なります。また、書籍によっては「検非違使忠明のこと」と題するものもあるようです。




※今昔物語は、平安時代末期に成立したとされる説話集です。正確な成立年や作者は未詳です。

※現代語訳:今昔物語集『検非違使忠明』わかりやすい現代語訳と解説

※品詞分解:宇治拾遺物語ver.『検非違使忠明』(これも今は昔、忠明といふ〜)の品詞分解


品詞分解

※名詞は省略しています。


今は昔、忠明といふ検非違使ありけり。若男にてありける時、清水の橋殿にして、京童部といさかひをしけり。

係助詞
昔、
忠明
格助詞
いふハ行四段活用「いふ」の連体形
検非違使
ありラ行変格活用「あり」の連用形
けり。過去の助動詞「けり」の終止形
若男
断定の助動詞「なり」の連用形
接続助詞
あり補助動詞・ラ行変格活用「あり」の連用形
ける過去の助動詞「けり」の連体形
時、
清水
格助詞
橋殿
格助詞
して、副助詞
京童部
格助詞
いさかひ
格助詞
サ行変格活用「す」の連用形
けり。過去の助動詞「けり」の終止形



京童部、刀を抜きて、忠明を立てこめて殺さむとしければ、忠明も刀を抜きて、御堂の方ざまに逃ぐるに、

京童部、
格助詞
抜きカ行四段活用「ぬく」の連用形
て、接続助詞
忠明
格助詞
立てこめマ行下二段活用「たてこむ」の連用形
接続助詞
殺さサ行四段活用「ころす」の未然形
意志の助動詞「む」の終止形
格助詞
サ行変格活用「す」の連用形
けれ過去の助動詞「けり」の已然形
ば、接続助詞
忠明
係助詞
格助詞
抜きカ行四段活用「ぬく」の連用形
て、接続助詞
御堂
格助詞
方ざま
格助詞
逃ぐるガ行下二段活用「にぐ」の連体形
に、接続助詞



御堂の東の端に、京童部あまた立ちて向かひければ、その傍にえ逃げずして、蔀(しとみ)のもとのありけるを取りて、

御堂
格助詞
格助詞
に、格助詞
京童部
あまた副詞
立ちタ行四段活用「たつ」の連用形
接続助詞
向かひハ行四段活用「むかふ」の連用形
けれ過去の助動詞「けり」の已然形
ば、接続助詞
代名詞
格助詞
格助詞
副詞
逃げガ行下二段活用「にぐ」の未然形
打消の助動詞「ず」の連用形
して、接続助詞
格助詞
もと
格助詞
有りラ行変格活用「あり」の連用形
ける過去の助動詞「けり」の連体形
格助詞
取りラ行四段活用「とる」の連用形
て、接続助詞



脇に挟みて、前の谷に躍り落つるに、蔀のもとに風しぶかれて、谷底に鳥の居るやうに、やうやく落ち入りにければ、そこより逃げて去にけり。

格助詞
挟みマ行四段活用「はさむ」の連用形
て、接続助詞
格助詞
格助詞
躍り落つるタ行上二段活用「をどりおつ」の連体形
に、接続助詞
格助詞
もと
格助詞
しぶかカ行四段活用「しぶく」の未然形
受身の助動詞「る」の連用形
て、接続助詞
谷底
格助詞
格助詞
居るワ行上一段活用「ゐる」の連体形
やうに、比況の助動詞「やうなり」の連用形
やうやく副詞
落ち入りラ行四段活用「おちいる」の連用形
完了の助動詞「ぬ」の連用形
けれ過去の助動詞「けり」の已然形
ば、接続助詞
そこ代名詞
より格助詞
逃げガ行下二段活用「にぐ」の連用形
接続助詞
去にナ行変格活用「いぬ」の連用形
けり。過去の助動詞「けり」の終止形


【「しぶく」の意味は?】




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