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中国の古代文明 ~黄河文明の特徴、仰韶文化、殷、周の成立~ |
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著作名:
エンリケ航海王子
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現在でも世界で最も多い人口を擁する中国。このテキストでは、中国の古代文明である黄河文明の成立と、その後の王朝について説明します。
中国には大きな河が2つあります。
一つは長江、もう一つが黄河です。
中国の古代文明は、黄河の中・下流域で始まりました。紀元前5000年から4000年の間に、農耕が始まり人々が定着したとされています。
黄河文明では、定住に伴って土器が使用されていました。最初使用された土器を彩文土器(彩陶)とよび、続いて薄手の黒陶という土器が使われました。
そのため、黄河文明は出土土器の特徴で区別され、前期の文化を彩陶文化(紀元前4000年~紀元前3000年頃)、後期の文化を黒陶文化(紀元前2000年~紀元前1500年頃)と呼びます。彩陶文化は、遺跡が発見された仰韶村の名前から仰韶文化、黒陶文化は遺跡が竜山鎮にあったので竜山文化とも言います。
(仰韶土器)
黒陶文化の終わり頃に、黄河流域にいくつもの共同体ができるようになります。これらは、城壁で囲まれた都市のようなもので、邑といいます。
各地の邑は、それぞれ独立していましたが、次第に力の強い邑がその他の邑を吸収して、国の形になっていきました。
伝説によれば、三皇五帝という神話上の王が君臨した後、禹王が夏王朝という国を作ったのが始まりとされています。
しかし、現在学問上確認できる最初の王朝は、殷という王朝です。
殷王朝は紀元前17世紀から紀元前11世紀まで続いた古代王朝で、商と呼ばれる大邑(大きな都)を首都に定め栄えていました。この大邑商の遺跡を殷墟といいます。
殷王朝は、占いや祭祀を元に政治が行われた祭政一致の神権政治でした。この時使われていたのが、甲骨文字と言われる文字で、占いの際に牛の骨や亀の甲羅に書かれたことに由来します。
(甲骨文字の復元)
甲骨文字の発見は驚くべきものでした。当初安陽県の農民が殷墟から発掘した甲骨を薬屋に売り、薬屋はその甲骨を粉引きでひき、「竜骨」という薬として売っていたそうです。清朝の学者劉鉄雲がその原料を見て竜骨文字が刻まれていることを知り、ようやく古代文明の遺物として認知されるようになりました。
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