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万葉集「梅の花今咲けるごと散り過ぎずわが家の園にありこせぬかも」の現代語訳と解説
著作名: 走るメロス
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はじめに

このテキストでは、万葉集の第5巻に収録されている「梅の花今咲けるごと散り過ぎずわが家の園にありこせぬかも」(八一六)の現代語訳・口語訳とその解説を記しています。この和歌は、平成の次の元号である「令和」(2019年5月1日〜)の由来となった万葉集『梅花の歌三十二首并せて序』に収録された32首のうちのひとつです。

原文

梅の花 今咲けるごと 散り過ぎ(※1)わが家の園に あり(※2)こせぬかも

ひらがなでの読み方

うめのはな いまさけるごと ちりすぎず わがへのそのに ありこせぬかも

現代語訳

梅の花よ、今咲いているように散り果ててしまわずに、私の家の庭にいつまでも咲いていてくれないか

解説

少弐小野大夫(=小野朝臣老)作の歌です。大伴旅人主催の梅花の宴にて詠まれた32首のひとつです。梅花の宴とは文字通り梅の花を題材とした歌を詠む会で、当時太宰府の長官であった大伴旅人を中心に開催されました。そのときに詠まれた32首にはすべて梅の花が含まれています。

単語・文法解説

(※1)わが家少弐小野大夫の自宅の庭ではなく大伴旅人宅の庭を指していると、ここでは解釈する
(※2)こせぬかも「〜してほしいものだ/〜してくれないかなあ」の意味。願望の助動詞「こす」の未然形「こせ」+打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」+疑問の係助詞「か」+詠嘆の終助詞「も」


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