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ベーコンの考えたイドラと帰納法
著作名: zed
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はじめに

イギリスの政治家・哲学者であったベーコンは、人間は日常生活において多くの偏見や誤解をもって生きていると考えました。彼はこのような偏見のことをイドラと呼び、そのイドラを4つにわけました。

種族のイドラ

人間という種族である以上存在してしまう、精神や感覚の誤り

洞窟のイドラ

個人の性格や育った文化の違いから生まれる偏見

市場のイドラ

コミュニケーションの中で、言葉のあやから生まれる偏見

劇場のイドラ

権威のあるものや権力者の言うことが正しいと、無条件に信じてしまうという偏見

ベーコンは、物の心理を見つけるためには、この4つのイドラを取り除いて物事を見つめなければならないと主張します。
そのために用いたのが帰納法と呼ばれる方法論でした。
帰納法とは

Aくんが、男性50人と女性50人に、「あなたは生物学的に子供を生めますか?」というアンケートをとったとします。
このとき質問をしたAくんは、男性が子供を生めないことを知りません。

ここで男性50人すべてが「生めない」と答え、女性50人すべてが「生める」と答えたとします。
この結果からAくんは、男性は子供を生むことができない生物で、女性は子供を生むことができる生物だと理解するでしょう。

このように、経験によって得た知識を総括して、それらに共通する事実や心理を導き出す方法を帰納法といいます。つまり実験や観測を続けることで、正しい知識を得るようにしましょうとベーコンは唱えたのです。

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