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古文単語「けしきだつ/気色立つ」の意味・解説【タ行四段活用】
著作名: 走るメロス
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「けしきだつ/気色立つ」の意味・活用・使用例【タ行四段活用】

このテキストでは、タ行四段活用の動詞「けしきだつ/気色立つ」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

タ行四段活用

未然形けしきだた
連用形けしきだち
終止形けしきだつ
連体形けしきだつ
已然形けしきだて
命令形けしきだて


意味1:自動詞

態度や顔に思いが表れる、思いを表す

[出典]:明石 源氏物語
「心恥づかしう思さるれば、気色立ちたまふことなし。」

[訳]:(紫の上がいながら明石の君に言い寄ることは)気がひけることだとお思いになるので、(明石の君に)思いを表しなさることはない。


意味2:自動詞

気取る、もったいぶる

[出典]:大鏡
「扇を差し隠して、気色立ち笑ふ程も、さすがにをかし。」

[訳]:扇をかざして(顔を)隠して、気取って笑う様子も、やはり趣がある。




意味3:自動詞

花が咲き出しそうである、兆しが見える、自然の現象が表れる

[出典]折節の 徒然草
「鳥の声などもことのほかに春めきて、のどやかなる日影に、垣根の草萌えいづるころより、やや春ふかく霞わたりて、花もやうやう気色立つほどこそあれ...」

[訳]:鳥の鳴き声などとりわけ春めいて、穏やかな日差しによって、垣根の草が芽ぐむころから、しだいに春も深まり一面に霞がかかって、桜の花もだんだんと咲き出しそうになるころではあるが...


意味4:自動詞

妊娠・出産の兆しが見える

[出典]:栄花物語
「この左京大夫殿の御上、気色立ちて悩ましうおぼしたれば...」

[訳]:この左京大夫殿の奥方は、出産の兆しが見えて気分が悪くお思いになるので...


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