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古文単語「きたなし/汚し/穢し」の意味・解説【形容詞ク活用】
著作名: 走るメロス
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きたなし/汚し/穢し

このテキストでは、ク活用の形容詞「きたなし/汚し/穢し」の意味、活用、解説とその使用例を記している。

形容詞・ク活用

未然形きたなくきたなから
連用形きたなくきたなかり
終止形きたなし
連体形きたなききたなかる
已然形きたなけれ
命令形きたなかれ


意味1

汚い、けがれている、よごれている

[出典]かぐや姫の昇天 竹取物語
「いざ、かぐや姫。きたなき所にいかでか久しくおはせむ。」

[訳]:さあ、かぐや姫。(このような)けがれたところになぜ長い間いらっしゃるのですか(、いらっしゃれるはずがありません)。


意味2

卑怯である、恥知らずである

[出典]衣のたて 古今著聞集
きたなくも、後ろをば見するものかな。」

[訳]卑怯にも、(敵に)背中を見せるものよ。




意味3

正しくない、よこしまである

[出典]:日本書紀
「汝なほ汚き心あり。汝と相見じ。」

[訳]:お前はやはりよこしまな心がある。お前とは二度と会うまい。


意味4

卑しい、下品だ、見苦しい

[出典]:虫めづる姫君 堤中納言物語
「歯黒め、『さらにうるさし、きたなし』とて、つけ給はず。」

[訳]:お歯黒は「(眉を抜く)よりいっそう煩わしい、見苦しい」と言って、お付けになりません。


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