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18_80 ヨーロッパ世界の形成と変動 / 東ヨーロッパ世界の成立

「第3のローマ」とは わかりやすい世界史用語1707

著者名: ピアソラ
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「第3のローマ」とは

「第3のローマ」という概念は、モスクワ大公国が自らを古代ローマの後継者と位置づける神学的かつ政治的な主張です。この考え方は、特に16世紀において重要な役割を果たしました。

背景

この概念は、ローマ帝国の崩壊後、ビザンツ帝国がその文化的および宗教的な遺産を引き継いだとされることに由来します。ビザンツ帝国が滅亡した後、モスクワはその正統性を主張し、ロシア正教会の中心地としての役割を強調しました。特に、フィロテウスという修道士が「モスクワは第3のローマである」と述べたことが、この概念の広まりに寄与しました。

意義

「第3のローマ」という考え方は、モスクワが正教徒の唯一の独立した国家であることを強調し、ロシアの国民的アイデンティティを形成する上で重要な役割を果たしました。この概念は、ロシアが西洋の影響から独立した存在であることを示すための手段ともなり、特にパンスラブ主義の文脈で用いられました。

歴史的影響

この思想は、ロシアの政治的および宗教的な動きに深く影響を与え、特に帝国主義的な政策や対外的な正当化に利用されました。モスクワが「第3のローマ」としての役割を果たすことは、ロシアが他のスラブ民族を保護する責任を持つという考え方にもつながりました。

このように、「第3のローマ」という概念は、モスクワ大公国の歴史において重要な位置を占めており、ロシアの文化的、宗教的、政治的なアイデンティティの形成に寄与しています。

この概念は、モスクワが正教徒の唯一の独立した国家であることを強調し、ロシアの国民的アイデンティティを形成する上で重要な役割を果たしました。特に、モスクワが「第3のローマ」としての役割を果たすことは、ロシアが他のスラブ民族を保護する責任を持つという考え方にもつながりました。
また、モスクワが「第3のローマ」としての地位を確立する過程で、ロシア正教会は国家と密接に結びつき、教会の権威が国家の権力を支える重要な要素となりました。これにより、ロシアの支配者たちは、神聖な使命を持つ統治者としての正当性を主張することができました。
さらに、モスクワの「第3のローマ」概念は、ロシアの国際的な立場にも影響を与え、特に19世紀以降のロシア帝国の拡張政策において、スラブ民族の保護者としての役割を強調するために利用されました。このように、モスクワの「第3のローマ」という概念は、ロシアの歴史とアイデンティティに深く根ざした重要な思想でした。
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・「第3のローマ」とは わかりやすい世界史用語1707

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『世界史B 用語集』 山川出版社

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