はじめに
脊椎動物の体細胞は、
体液と呼ばれる液体によって満たされています。
体液は、
血管を流れる血液、
細胞間を満たしている組織液、そして
リンパ管を流れるリンパ液の3種類に分けられます。
ここでは、それらの役割、特に血液の役割についてみていきましょう。
血液
人の血液の量は、体重の約13分の1であると言われています。体重が65kgの人は約5lの血液が体を流れているということになります。
この血液は
赤血球、
白血球、
血小板の3種類からなる
血球と、血しょうと呼ばれる液体から成り立っています。
血液には主に、次の役割があります。
■運搬
■酸素
赤血球に含まれる
ヘモグロビンが酸素をのせて、全身へと酸素が行き渡るようにしています。
■栄養素と老廃物
体内に吸収された栄養素や体内で生成された老廃物(二酸化炭素など)を血しょうにのせて運搬します。
■生体の防御
■止血
血管を傷つけて出血してしまったときに、
血小板が血液を凝固させて、血を止めてくれます。
■免疫を高める
白血球が、体内に入った最近などの病原体を除去してくれます。
■体内環境の維持
■体温調節
人は血液の流れる量を変えることで、体温の調節を行なっています。
■体液のpH濃度、浸透圧の調整
組織液、リンパ液については次のテキスト
「体液とその役割~組織液~」で説明しましょう。