陰陽家とは
陰陽家は、中国の春秋戦国時代に現れた学者・学派の総称で、諸子百家の一派です。主な人物に鄒衍(騶衍)がおり、陰陽五行思想を発展させ、王朝交替説(五徳終始説)などを説いたことで知られています。陰陽五行思想そのものは、陰陽家より前の殷代からあり、儒家の『易経』『書経』や、一般の占い(術数)にも使われていました。後には『呂氏春秋』『管子』『春秋繁露』、讖緯思想や道教、日本の陰陽寮などにも影響を与えました。
陰陽家という学派区分は、戦国時代当時にはなく、漢代の司馬談『論六家要旨』や、班固『漢書』芸文志が後付けした区分であるとされています。『漢書』芸文志では、鄒衍とその後継者の鄒奭のほか、公孫発、秦漢の張蒼らが「陰陽家」とみなされ、『鄒子』などの書名が記録されているが、断片的にしか現存しないとされています。鄒衍・鄒奭の学説はそれぞれ壮大・流麗だったとされ、「談天雕龍」という成句になっています。