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18_80 アジア・アメリカの古代文明 / 中国の古典文明(殷・周の成立から秦・漢帝国)

縦横家とは わかりやすい世界史用語360

著者名: ピアソラ
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縦横家とは

諸子百家の中で、縦横家(じゅうおうか)は特に興味深い学派の一つです。縦横家は、戦国時代において、外交術と国家戦略に焦点を当てた学派であり、その思想は現代の国際関係論にも通じるものがあります。

縦横家の思想は、主に「合従連衡」(がっしょうれんこう)という概念に基づいています。これは、国家間の同盟形成とその解消を通じて、国家の利益を最大化する戦略を指します。縦横家の代表的な思想家には、鬼谷子(きこくし)、蘇秦(そしん)、張儀(ちょうぎ)などがいます。

鬼谷子は、縦横家の祖とされる人物であり、彼の著作『鬼谷子』は、縦横家の基本的な思想をまとめたものです。彼は、国家間の関係を巧みに操るための戦略や戦術を提唱し、その中には、敵対国を分断し、味方国を結束させる方法が含まれています。鬼谷子の思想は、後の縦横家の思想家たちに大きな影響を与えました。



蘇秦は、縦横家の中でも特に有名な人物であり、彼の「合従策」は、戦国時代の六国(斉、楚、燕、韓、趙、魏)を連合させて、強大な秦に対抗する戦略を提唱しました。蘇秦は、各国の君主に対して、連合の重要性を説き、実際に六国を連合させることに成功しました。彼の外交術は、縦横家の思想の実践例として高く評価されています。

一方、張儀は、蘇秦の「合従策」に対抗する形で「連衡策」を提唱しました。彼は、秦の宰相として、各国を個別に秦と同盟させることで、六国の連合を分断し、秦の勢力を拡大させる戦略を実行しました。張儀の「連衡策」は、秦の統一事業に大きく貢献し、彼の外交術は縦横家のもう一つの側面を示しています。

縦横家の思想は、戦国時代の中国において、国家間の複雑な関係を理解し、操作するための重要な枠組みを提供しました。彼らの戦略や戦術は、単なる軍事的な勝利を追求するだけでなく、国家の長期的な安定と繁栄を目指すものでした。
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『世界史B 用語集』 山川出版社

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