ニクソン=ショック
ニクソン=ショックとは、アメリカがドルと金との兌換の停止を宣言し、ブレトン=ウッズ体制を終結させた出来事のことです。ブレトン=ウッズ体制とは、為替の安定をはかるために金1オンスを35USドルと定め、そのドルに対し各国通貨の交換比率を定めていたものです。(この当時は固定為替相場制で、1ドル=360円と決められていました。)
このニクソン=ショックで、アメリカが「これ以上アメリカドルと金とを交換することをやめる!」と急に宣言したことによって、世界経済に大きな影響を与えることになります。(後で説明)
まずはニクソン=ショックの背景についてみていきましょう。
ニクソン=ショックの背景
まず、ブレトン=ウッズ体制で採用していた「
金1オンスを35USドル」について考えてみましょう。
これは、「35USドルがあればいつでも金1オンスと交換しますよ」という仕組みです。つまりどこの国もこぞってUSドルを持ちたいと考えるようになります。
1960年代になると各国の保有するUSドルの量が、アメリカが準備していた金の量よりも多くなるという事態に陥ります。こうなるとUSドルを保有している国からすれば、「
いつでも金に交換できるって言ってたけど、本当に大丈夫なの?金足りてるの?」という不信感が生まれ、USドルに対する信用も下がるようになってしまいました。
そこでアメリカは、ドルの流出を防ぐ対策を講じましたが国際収支が上向きになることはありませんでした。そのために思い切って、「USドルと金の交換をやめる!」と宣言してしまったわけです。
ニクソン=ショックの与えた影響
ニクソン=ショックによって、それまでの固定為替相場制が終わり、現在と同じ
変動為替相場制に移行していくこととなります。