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古文単語「くもがくる/雲隠る」の意味・解説【ラ行四段活用/ラ行下二段活用】
著作名: 走るメロス
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「くもがくる/雲隠る」の意味・活用・使用例【ラ行四段活用・ラ行下二段活用】

このテキストでは、古文単語「くもがくる/雲隠る」の意味、活用、解説とその使用例を記しています。

※「くもがくる」には、
①ラ行四段活用(上代の作品)
②ラ行下二段活用(中古代以降の作品)
の用法がある。時代の変遷で用法は変化したが、意味は同じ。

①ラ行四段活用

未然形くもがくら
連用形くもがくり
終止形くもがくる
連体形くもがくる
已然形くもがくれ
命令形くもがくれ


意味1:自動詞

雲に隠れて見えなくなる

[出典]:万葉集 柿本人麻呂
雲隠る 小島の神の 畏けば 目は隔てども 心隔てや」

[訳]雲に隠れている小島の神が恐れ多いので、逢わずにいますが、心が離れることがありましょうか、いやありません。


意味2:自動詞

(身分の高い人の死を婉曲して)
お亡くなりになる



②ラ行下二段活用

未然形くもがくれ
連用形くもがくれ
終止形くもがくる
連体形くもがくるる
已然形くもがくるれ
命令形くもがくれよ


意味1:自動詞

雲に隠れて見えなくなる

[出典]百人一首 紫式部
「めぐり逢ひて 見しやそれとも 分かぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな」

[訳]:久しぶりに再び出会ったのに、本当にあなたかどうかもわからないうちに、(あわただしく帰っていってしまいましたね。まるで)雲に隠れてしまった夜中の月であることよ。


意味2:自動詞

亡くなる

[出典]:源氏物語 紫式部
「奈良の上皇は、この秋七月に雲隠れさせたまへば...」

[訳]:奈良の上皇は、この秋の七月に崩御あそばされたので...


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